Genesis2.0Plus遺伝子検査項目 - 疾患_泌尿器

Gene Items - disease / urology

 

GeneLife Genesis2.0 / 泌尿器

膀胱がん

項目概要

膀胱は尿を溜めたり排泄したりする臓器です。この膀胱にできるがんのことを膀胱がんと言います。膀胱がんの大部分は膀胱の内側を覆っている尿路上皮に発生するがんです。
主な症状は血尿が出ることです。また、頻繁に尿意を感じたり、排尿痛を感じたりすることがあるようです。

発症年齢・発症率について

膀胱がんの罹患率は10万人あたり、男性で年間24人、女性で年間8人と、男性は女性に比べ3倍以上高い傾向があります。年齢別では60歳以降に発生する割合が高いようです。

解析遺伝子情報

関連遺伝子説明
TACC3TACC3遺伝子は細胞分裂の安定化に寄与するタンパク質を産生する遺伝子です。この遺伝子がTT型TC型の場合、膀胱がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
CASC11CASC11遺伝子はタンパク質を産生しないRNA遺伝子の一種です。この遺伝子がTT型TG型の場合、膀胱がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
PSCAPSCA遺伝子は膜糖タンパクの一種を産生する遺伝子であり、前立腺や膀胱、胎盤、大腸、腎臓、胃などで発現していることが知られています。この遺伝子がTT型TC型の場合、膀胱がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
CLK3, CYP1A2CLK3遺伝子はセリンスレオニンキナーゼの一種を産生する遺伝子であり、RNAのスプライシングに関わるタンパク質をリン酸化することが知られています。この遺伝子がTC型CC型の場合、膀胱がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
LOC105372093, SLC14A1SLC14A1遺伝子は膜タンパク質の一種を産生する遺伝子であり、赤血球および腎臓で尿素の輸送に関与していることが知られています。この遺伝子がTT型TC型の場合、膀胱がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
APOBEC3AAPOBEC3A遺伝子はウイルス感染を抑制するなど免疫に関与するタンパク質を産生する遺伝子です。この遺伝子がAA型AG型の場合、膀胱がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
 

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慢性腎臓病

項目概要

慢性腎臓病は、腎障害や腎機能低下が慢性的に続く腎臓病の総称です。
現在、日本には約1,330万人の慢性腎臓病の患者がいると言われており、この数は成人の8人に1人という高い割合になっています。そのため、慢性腎臓病は新たな国民病とも言えるかもしれません。
慢性腎臓病は初期には自覚症状がほとんどありません。しかし、進行すると、夜間尿、むくみ、貧血、倦怠感、息切れなどの症状が現れてきます。さらには血液から老廃物を除去する能力が落ちることで、心臓病や脳卒中などの心血管疾患になるリスクが高まります。

発症年齢・発症率について

慢性腎臓病は高齢になるほど発症しやすく、男女比では2:1でやや男性の方が多い傾向があります。

解析遺伝子情報

関連遺伝子説明
MECOMMECOM(MDS1)遺伝子は転写因子の一種を産生する遺伝子であり、造血、アポトーシス(細胞自身によって計画された細胞死)、発生、細胞分化や増殖などに関与すると考えられています。この遺伝子がTT型TC型の場合、慢性腎臓病の遺伝的リスクが低い傾向にあると報告されています。
ALPK1ALPK1遺伝子はαリン酸化酵素を産生する遺伝子で、先天性免疫や炎症反応に関与すると考えられています。この遺伝子がAG型GG型の場合、慢性腎臓病の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
BTN2A1BTN2A1遺伝子は膜タンパク質の一種を産生する遺伝子であり、自己と他者を区別するのに利用されているMHCに関与していると考えられています。この遺伝子がTT型TC型の場合、慢性腎臓病の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
MHCMHC(主要組織適合複合体)領域は免疫系において自他を識別するために極めて重要な役割を担う遺伝子領域です。この遺伝子がCG型GG型の場合、慢性腎臓病の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
UNCXUNCX遺伝子は体細胞形成や神経発生などに関与するホメオボックス転写因子を産生する遺伝子です。この遺伝子がTA型AA型の場合、慢性腎臓病の遺伝的リスクが低い傾向にあると報告されています。
UCP2UCP2遺伝子はアポトーシス(細胞自身によって計画された細胞死)に関与するタンパク質を産生する遺伝子です。この遺伝子がTT型の場合、慢性腎臓病の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
MMP1MMP1遺伝子は細胞外マトリックス分解酵素の一種を産生する遺伝子であり、コラーゲンの分解に関わることが知られています。この遺伝子がTC型CC型の場合、慢性腎臓病の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
WDR72WDR72遺伝子は歯のエナメル質の正常な形成に重要な役割を担う遺伝子です。この遺伝子がAA型AG型の場合、慢性腎臓病の遺伝的リスクが低い傾向にあると報告されています。
UMODUMOD遺伝子は腎臓や尿路中でのカルシウムの結晶化を防ぐウロモジュリンタンパク質を産生する遺伝子です。この遺伝子がTT型TC型の場合、慢性腎臓病の遺伝的リスクが低い傾向にあると報告されています。
MAFMAF遺伝子はロイシンジッパー型転写因子の一種を産生する遺伝子であり、他の転写因子と相互作用することで、転写の活性化にも抑制にも機能すると考えられています。この遺伝子がTT型TG型の場合、慢性腎臓病の遺伝的リスクが低い傾向にあると報告されています。
GNASGNAS遺伝子は現在研究中の遺伝子であり、その詳細な機能は不明です。しかし、この遺伝子がTT型TC型の場合、慢性腎臓病の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
 

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腎臓結石(尿路結石)

項目概要

腎結石症は腎臓にシュウ酸などの結晶ができる疾患で、これが尿路に移動して詰まると激しい背中の痛みを引き起こします。その痛みの激しさは七転八倒の苦しみと言われ、三大激痛の1つに数えられることもあります。

発症年齢・発症率について

人生のうち、一度でも発症する人は10人に1人の割合と言われています。

解析遺伝子情報

関連遺伝子説明
RGS14RGS14遺伝子はGタンパク質シグナル伝達ファミリーの調節因子の一種を産生する遺伝子です。この遺伝子がAA型AG型の場合、腎臓結石(尿路結石)の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
INMTINMT遺伝子はインドールアミンN-メチルトランスフェラーゼを産生する遺伝子です。この遺伝子がAG型GG型の場合、腎臓結石(尿路結石)の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
DGKHDGKH遺伝子はジアシルグリセロールをリン酸化し、ホスホチジン酸に変換する酵素を産生する遺伝子です。この遺伝子がTC型CC型の場合、腎臓結石(尿路結石)の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
 

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2型糖尿病性腎症

項目概要

2型糖尿病性腎症は、糖尿病の三大合併症の1つです。糖尿病によって腎臓の血管が損傷を受け、血液中の老廃物のろ過機能が低下してしまう疾患です。
現在、透析を受けている人の40%以上が糖尿病性腎症によるものと言われており、糖尿病性腎症は透析患者を増やす大きな要因となっています。

発症年齢・発症率について

2型糖尿病腎症は、2型糖尿病の発症後に起こる合併症です。なお、国内で透析を受けている患者の4割近くが、この糖尿病性腎症だという報告もあります。

解析遺伝子情報

関連遺伝子説明
ELMO1ELMO1遺伝子は貪食作用や細胞の移動を促進するためのタンパク質を産生する遺伝子です。この遺伝子がGG型の場合、2型糖尿病性腎症の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
 

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腎芽細胞腫(ウィルムス腫瘍)

項目概要

腎芽細胞腫(ウィルムス腫瘍)は小児期に発生する悪性腫瘍の1つで、腎臓に発生するがんです。

発症年齢・発症率について

発症例の約半数が2歳までに発症しており、90%が5歳までに発症しています。発症頻度は出生数1.2万~1.5万人に1人と言われています。

解析遺伝子情報

関連遺伝子説明
DDX1DDX1遺伝子はRNAヘリケースの一種と考えられているタンパク質を産生する遺伝子です。この遺伝子がTG型GG型の場合、腎芽細胞腫(ウィルムス腫瘍)の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
none遺伝子の特定には至っていませんが、この部位がTT型TC型の場合、腎芽細胞腫(ウィルムス腫瘍)の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
DLG2DLG2遺伝子は神経のシグナル伝達に関与するタンパク質を産生する遺伝子です。この遺伝子がAG型GG型の場合、腎芽細胞腫(ウィルムス腫瘍)の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
none遺伝子の特定には至っていませんが、この部位がAA型AG型の場合、腎芽細胞腫(ウィルムス腫瘍)の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
none遺伝子の特定には至っていませんが、この部位がAG型GG型の場合、腎芽細胞腫(ウィルムス腫瘍)の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
 

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腎臓がん

項目概要

腎臓にできるがんには、腎細胞にできる腎細胞がんと尿管にできる腎盂(じんう)がんの2種類があります。この項目では、このうちの腎細胞がんを取り扱っています。
初期の腎細胞がんには明確な症状はありません。進行すると血尿や腹部のしこりとして認識されることがあります。ただ、実際には他の病気のための精密検査を実施している際にたまたま見つかる場合が多いようです。

発症年齢・発症率について

50歳代以降で発症率が上昇します。腎細胞がんや腎盂がんを合わせた腎臓がんの年間罹患率は、人口10万人当たり男性では24.4人、女性では11.7人となっており、男性の方がやや多いがんとなっています。

解析遺伝子情報

関連遺伝子説明
EPAS1EPAS1遺伝子は転写因子の一種を産生する遺伝子であり、酸素によって制御されている遺伝子群の発現を誘導する機能があります。この遺伝子がAA型AG型の場合、腎臓がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
none遺伝子の特定には至っていませんが、この部位がAA型AG型の場合、腎臓がんの遺伝的リスクが低い傾向にあると報告されています。
MMP1MMP1遺伝子は細胞外マトリックス分解酵素の一種を産生する遺伝子であり、コラーゲンの分解に関わることが知られています。この遺伝子がII型の場合、腎臓がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
MMP3MMP3遺伝子は細胞外マトリックス分解酵素の一種を産生する遺伝子であり、フィブロネクチン、ラミニン、コラーゲンIII、IV、IX、X、ならびに軟骨プロテオグリカンの分解に関与することが知られています。この遺伝子がCC型の場合、腎臓がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
VDRVDR遺伝子はビタミンD受容体を産生する遺伝子であり、体内のカルシウムの維持に機能することが知られています。この遺伝子がAA型の場合、腎臓がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
SCARB1SCARB1遺伝子はHDLコレステロール受容体を産生する遺伝子です。この遺伝子がTT型TC型の場合、腎臓がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
IL16IL16遺伝子は化学遊走物質やT細胞活性化調節因子として機能するサイトカインを産生する遺伝子です。この遺伝子がTC型CC型の場合、腎臓がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
 

GeneLife Genesis2.0 / 泌尿器

尿道下裂

項目概要

尿道下裂は、尿道の出口が本来あるべき場所(陰茎の先端)からずれた位置に形成される疾患です。
なお、尿道下裂自体は女児でも起き得ますが、ここでは男児の尿道下裂について扱います。

発症年齢・発症率について

欧米では男児300人に対して1人の割合で発症するとの報告があり、国内でも同程度かやや少ないくらいと考えられています。

解析遺伝子情報

関連遺伝子説明
HSD17B3HSD17B3遺伝子はアンドロステンジオンをテストステロンへ変換を触媒する酵素を産生する遺伝子です。この遺伝子がTT型の場合、尿道下裂の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
DGKKDGKK遺伝子はジアシルグリセロールをリン酸化し、ホスホチジン酸に変換する酵素を産生する遺伝子です。この遺伝子がTT型TC型の場合、尿道下裂の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
 

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小児ネフローゼ症候群

項目概要

小児ネフローゼ症候群とは、尿の中にタンパク質が大量に流出してしまうことで、血液中のタンパク質量が減少し、全身にむくみが生じる疾患です。

発症年齢・発症率について

小児に発生しやすい微小変化型ネフローゼ症候群では、男女比は2:1で男児の方が多い傾向があります。
年齢別では3~6歳頃に発症しやすい傾向があります。

解析遺伝子情報

関連遺伝子説明
IL4IL4遺伝子はインターロイキン4というサイトカインを産生する遺伝子であり、特にアレルギー反応に関与することが知られています。この遺伝子がTT型TC型の場合、小児ネフローゼ症候群の遺伝的リスクが低い傾向にあると報告されています。