Genesis2.0Plus遺伝子検査項目 - 疾患_感染症
Gene Items - disease / infection
GeneLife Genesis2.0 / 感染症
後天性免疫不全症候群の進行
項目概要
後天性免疫不全症候群(AIDS:エイズ)はヒト免疫不全ウイルス(HIV)の感染によって引き起こされる症状です。
免疫機能の中枢を担うヘルパーT細胞にHIVが感染すると、ヘルパーT細胞が破壊され、免疫機能が著しく損なわれます。その結果、さまざまな感染症を起こしやすくなったり、がんを発生しやすい状態になってしまいます。
この後天性免疫不全症候群の症状の進行には個人差があることが知られています。
発症年齢・発症率について
後天性免疫不全症候群はHIVに感染しなければ発症しない疾患です。
解析遺伝子情報
関連遺伝子 | 説明 |
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HLA-C | HLA-C遺伝子は免疫応答において、自己と非自己を見分けるための目印となるタンパク質を産生する遺伝子です。この遺伝子がTC型CC型の場合、後天性免疫不全症候群の進行が遅い傾向にあると報告されています。 |
GeneLife Genesis2.0 / 感染症
子宮頸がん
項目概要
子宮頸がんは子宮の入り口にある子宮頚部という部分にできるがんです。若い女性に限ると、乳がんに次いで多いがんが子宮頸がんです。
子宮頸がんの発症にはパピローマウイルスというウイルスの感染が大きなリスク要因として考えられており、子宮頸がんの患者さんの90%以上からパピローマウイルスが検出されることが知られています。
初期の子宮頸がんには明確な自覚症状がありません。そのうち、月経時以外での出血や、普段と違うおりものが増えたり、月経血の量が増える、月経期間が長引くなどの症状が現れるようです。
発症年齢・発症率について
20歳代後半~40歳代での発症が多いようですが、近年は若年化の傾向が見られるようです。若い女性が気を付けるべきがんのひとつでしょう。
人口10万人あたりの罹患率は、年間16.7人となっています。
解析遺伝子情報
関連遺伝子 | 説明 |
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GSDMB | GSDMB遺伝子は現在研究中の遺伝子であり、その詳細な機能は不明です。しかしこの遺伝子がGG型の場合、子宮頸がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。 |
GeneLife Genesis2.0 / 感染症
B型慢性肝炎
項目概要
B型慢性肝炎は、B型肝炎ウイルス(HBV)に感染することで発症する慢性疾患です。
出産時ないし乳幼児期にHBVに感染すると10~30歳代で肝炎を起こしますが、その後は肝機能が安定する非活動型に移行する場合が多いようです。ただし残りの10%程度の人はB型慢性肝炎へと移行します。
B型慢性肝炎になると、肝臓の機能が徐々に失われていき、肝硬変や肝臓がんを引き起こすことが知られています。
この疾患は、ウイルス感染が原因なので、ウイルス感染を防ぐことで完全に予防することができます。
発症年齢・発症率について
B型慢性肝炎はB型肝炎ウイルスに感染することによって発症する疾患です。B型肝炎ウイルスに感染しなければ発症することはありません。
解析遺伝子情報
関連遺伝子 | 説明 |
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HLA-DPA1 | HLA-DPA1遺伝子は免疫応答において、自己と非自己を見分けるための目印となるタンパク質を産生する遺伝子です。この遺伝子がTC型CC型の場合、B型慢性肝炎の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。 |
HLA-DPB1 | HLA-DPB1遺伝子は免疫応答において、自己と非自己を見分けるための目印となるタンパク質を産生する遺伝子です。この遺伝子がAG型GG型の場合、B型慢性肝炎の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。 |
HLA-DQB1 | HLA-DQB1遺伝子は免疫応答において、自己と非自己を見分けるための目印となるタンパク質を産生する遺伝子です。この遺伝子がAA型AG型の場合、B型慢性肝炎の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。 |
HLA-DQB2 | HLA-DQB2遺伝子は免疫応答において、自己と非自己を見分けるための目印となるタンパク質を産生する遺伝子です。この遺伝子がAG型GG型の場合、B型慢性肝炎の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。 |
GeneLife Genesis2.0 / 感染症
C型慢性肝炎
項目概要
C型慢性肝炎は、C型肝炎ウイルス(HCV)に感染することで発症する慢性疾患です。肝臓の機能が徐々に失われていき、肝硬変や肝臓がんを引き起こすことが知られています。
この疾患は、ウイルス感染が原因なので、ウイルス感染を防ぐことで完全に予防することができます。
発症年齢・発症率について
C型慢性肝炎はC型肝炎ウイルスに感染することによって発症する疾患です。HCVに感染しなければ発症することはありません。
解析遺伝子情報
関連遺伝子 | 説明 |
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HLA-DQB1, HLA-DQA1 | HLA-DQB1遺伝子は免疫応答において、自己と非自己を見分けるための目印となるタンパク質を産生する遺伝子です。この遺伝子がAG型GG型の場合、C型慢性肝炎の遺伝的リスクが低い傾向にあると報告されています。 |
DEPDC5 | DEPDC5遺伝子は現在研究中の遺伝子であり、その詳細な機能は不明です。しかし、この遺伝子がAC型CC型の場合、C型慢性肝炎の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。 |
GeneLife Genesis2.0 / 感染症
デング熱ショック症候群
項目概要
デング熱は熱帯および亜熱帯地域で流行している感染症であり、主に東南アジアや中南米で多く報告されています。デング熱はデングウイルスを原因とする感染症であり、デングウイルスが蚊を媒介としてヒトの体内に侵入することで発症します。
近年、日本国内でも海外旅行者を発端とする限定的な感染がニュースに取り上げられるという事例がありましたが、デングウイルスの感染源は主に海外にあると考えられており、海外旅行の際に気を付ければ十分に予防可能な疾患であると言えるでしょう。
デング熱は一週間程度で回復する疾患ですが、稀に重症化し、デング出血熱を引き起こす場合があります。このデングウイルス感染後のデング出血熱の発症リスクには、遺伝的な影響によって差が見られることが報告されています。
発症年齢・発症率について
デング熱ショック症候群はデングウイルスに感染することで発症する疾患です。デングウイルスに感染しなければ発症することはありません。
解析遺伝子情報
関連遺伝子 | 説明 |
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MICB | MICB遺伝子はNKG2-DタイプII内在性膜タンパク質受容体の基質となるタンパク質を産生する遺伝子です。この遺伝子がAG型GG型の場合、デング熱ショック症候群の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。 |
PLCE1 | PLCE1遺伝子はリン脂質加水分解酵素であるホスホリパーゼCイプシロン1を産生する遺伝子で、リン脂質をジアシルグリセロールとイノシトール1,4,5-三リン酸エステルに加水分解します。この遺伝子がTT型TC型の場合、デング熱ショック症候群の遺伝的リスクが低い傾向にあると報告されています。 |
GeneLife Genesis2.0 / 感染症
ハンセン病
項目概要
ハンセン病は、らい菌という細菌に感染することによって引き起こされる疾患で、末梢神経と皮膚が侵されます。治療をせずに放置すると、身体に変形を起こし、後遺症を残す恐れがあります。
ただし、現在はハンセン病に対して有効な薬が開発され、早期に治療を開始すればほとんど問題になることはありません。
治療法が無かった時代には、ハンセン病は患者の外見と感染への恐れから差別の要因にもなるなど、社会的な問題をも含め、重大な疾患でした。
発症年齢・発症率について
現在の日本では新規の発症例はほとんどありません。
解析遺伝子情報
関連遺伝子 | 説明 |
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IL23R | IL23R遺伝子はインターロイキン23の受容体を産生する遺伝子です。この遺伝子がTT型TC型の場合、ハンセン病の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。 |
HLA-DR-DQ | HLA-DRならびにDQ遺伝子は免疫応答において、自己と非自己を見分けるための目印となるタンパク質を産生する遺伝子です。この遺伝子がTT型TC型の場合、ハンセン病の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。 |
RIPK2 | RIPK2遺伝子はRIPファミリーに属するセリン/スレオニンタンパク質リン酸化酵素を産生する遺伝子であり、アポトーシス(細胞自身によって計画された細胞死)の制御に関与することが知られています。この遺伝子がTC型CC型の場合、ハンセン病の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。 |
TNFSF15 | TNFSF15遺伝子は内皮細胞の増殖を阻害するタンパク質を産生する遺伝子です。この遺伝子がTT型TC型の場合、ハンセン病の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。 |
LACC1 | LACC1遺伝子は酸化還元酵素の一種を産生する遺伝子であり、脂肪酸の酸化に関与することが知られています。この遺伝子がAG型GG型の場合、ハンセン病の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。 |
NOD2 | NOD2遺伝子は細胞内でバクテリア由来物質の検出をするタンパク質を産生する遺伝子であり、バクテリア由来物質を検出すると炎症反応に重要なNFkBの活性化を引き起こします。この遺伝子がTC型CC型の場合、ハンセン病の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。 |
GeneLife Genesis2.0 / 感染症
重症マラリア
項目概要
マラリアは亜熱帯や熱帯地域で流行している感染症であり、マラリア原虫がハマダラカ(蚊の一種)を介して体内に侵入することで発症します。
マラリアは温帯に位置する日本では感染がほとんど見られず、海外旅行者が国内に帰ってきてから発症する事例が年間50~70件ある程度です。そのため、海外旅行をする際に気を付ければ十分予防可能な疾患であると言えるでしょう。
マラリア原虫は赤血球に感染する際に、赤血球表面の抗原に接着することが知られており、血液型がO型の人の赤血球にはマラリア原虫が接着しにくく、マラリアが重症化しにくい傾向が見られるなど、遺伝的な影響によって重症化のしやすさに差が見られるようです。
発症年齢・発症率について
マラリア原虫が体内に侵入すること発症しますので、マラリア原虫に感染しなければ発症することはありません。
解析遺伝子情報
関連遺伝子 | 説明 |
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ABO | ABO遺伝子は糖転移酵素を産生する遺伝子であり、血液型(ABO式)の決定に重要な機能を持つことが知られています。この遺伝子がDD型の場合、重症マラリアの遺伝的リスクが低い傾向にあると報告されています。 |
HBB | 遺伝子の特定には至っていませんが、この部位の近傍にヘモグロビンの構造を決定するHBB遺伝子があります。この部位がGC型CC型の場合、重症マラリアの遺伝的リスクが低い傾向にあると報告されています。 |
GeneLife Genesis2.0 / 感染症
帯状疱疹
項目概要
帯状疱疹は、水ぼうそうを起こす水痘・帯状疱疹ウイルスによって起きる疾患です。子供の頃に感染したウイルスは、水ぼうそうが治った後も神経細胞中に潜んでおり、免疫力が低下した際に再び暴れ出し、神経細胞に沿って皮膚の表面にまで出てきて、皮膚の表面に帯状の紅斑と水疱を引き起こします。帯状疱疹はピリピリとした痛みを伴うことが多いですが、その痛みの強弱には個人差があります。
なお、治癒までの時間が長引くと、治癒後にも痛みが残ることがあります(帯状疱疹後神経痛と言います)ので、早めに治療をするようにしましょう。
発症年齢・発症率について
帯状疱疹は高齢者に発症しやすい傾向がありますが、疲労やストレスなどの影響で体力が低下すると若い世代でも発症することがあります。
解析遺伝子情報
関連遺伝子 | 説明 |
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HCP5 | HCP5遺伝子は現在研究中の遺伝子であり、その詳細な機能は不明です。しかし、この遺伝子がTC型CC型の場合、帯状疱疹の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。 |
GeneLife Genesis2.0 / 感染症
結核
項目概要
結核は、肺に結核菌が感染することで発症する疾患です。結核菌により肺に炎症が起き、肺が徐々に破壊されてしまいます。
主な症状には、微熱と倦怠感、食欲不振、長引く咳や痰などがあります。
江戸時代には不治の病でしたが、現在は抗生剤の普及とワクチン接種により患者は激減しています。ただし、薬剤耐性の結核菌が出現するなど、現代でも注意が必要な疾患であることは間違いありません。
発症年齢・発症率について
結核の罹患率は、人口10万人あたり年間18.2人となっており、現在も珍しくはない疾患です。
解析遺伝子情報
関連遺伝子 | 説明 |
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ASAP1 | ASAP1遺伝子は膜輸送の制御や細胞骨格の再構築に関与している可能性がある遺伝子です。この遺伝子がAC型CC型の場合、結核の遺伝的リスクが低い傾向にあると報告されています。 |
WT1 | WT1遺伝子は細胞の発生や生存に重要な役割を果たす転写因子を産生する遺伝子です。この遺伝子がTT型TC型の場合、結核の遺伝的リスクが低い傾向にあると報告されています。 |
GeneLife Genesis2.0 / 感染症
ノロウイルス感染
項目概要
ノロウイルスは激しい嘔吐や下痢を引き起こすことが知られている、非常に感染力の強いウイルスです。
主な感染経路としては、ノロウイルスに汚染された食品の摂取(カキ、ハマグリ、ムール貝などの二枚貝)による感染、ノロウイルス感染者の嘔吐物や糞便の飛沫による飛沫感染があります。特に後者は、特定の施設(学校や病院など)に持ち込まれると爆発的に感染が拡がる恐れがあり、細心の注意が必要です。
ノロウイルスには、感染しても発症しない人(不顕性感染の人)がおり、そのような人にはある遺伝的な特徴があることが報告されています。なお、残念ながら日本人の大部分はノロウイルスに感染すると発症するタイプであり、不顕性で済む方は非常に少ないと考えられています。
発症年齢・発症率について
ノロウイルスは空気が乾燥した冬期に流行しやすいウイルスです。特に病院や学校など、人が密集した閉鎖空間では注意が必要です。
解析遺伝子情報
関連遺伝子 | 説明 |
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FUT2 | FUT2遺伝子はフコシル基転移酵素の一種を産生する遺伝子であり、この遺伝子はABO式血液型の判定に使われる抗原が唾液中などにも分泌するタイプか否かの決定にも関与することが知られています。この遺伝子がAG型GG型の場合、ノロウイルス感染の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。 |
GeneLife Genesis2.0 / 感染症
髄膜炎
項目概要
髄膜とは脳や脊髄を覆っている膜のことです。細菌感染などを原因として、この髄膜で起きる炎症のことを髄膜炎と言います。髄膜炎の初期症状は風邪と似ており、発熱と頭痛などがありますが、その後急に悪化して皮下出血や発疹が現れたり、息苦しくなったり、光を眩しく感じるようになるなどの風邪とは違う症状が現れます。このまま放置すると意識を失い、生命の危機に陥るため早急な対応が必要です。
なお、髄膜炎には、小児に起きやすいヒブ(ヘモフィルス・インフルエンザ菌b型)や肺炎球菌などの感染によるものと、10代で起きやすい髄膜炎菌の感染によるもの、さらには無菌性の髄膜炎があります。
発症年齢・発症率について
髄膜炎菌による髄膜炎は乳幼児と10代後半に見られます。大人での発症例も報告されています。ヒブや肺炎球菌による髄膜炎は小児において発症しやすい傾向があります。
解析遺伝子情報
関連遺伝子 | 説明 |
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CFH | CFH遺伝子は血液中の補体の活性化を制御するタンパク質を産生する遺伝子です。この遺伝子がTT型TG型の場合、髄膜炎の遺伝的リスクが低い傾向にあると報告されています。 |
CFHR3 | CFHR3遺伝子は補体の調節に関わるH因子の一種を産生する遺伝子です。この遺伝子がTC型CC型の場合、髄膜炎の遺伝的リスクが低い傾向にあると報告されています。 |
GeneLife Genesis2.0 / 感染症
腸チフス
項目概要
腸チフスは、サルモネラの一種であるチフス菌の感染によって引き起こされる感染症であり、主な症状は腹痛と下痢、発熱などがあります。感染者の尿や排泄物を介して感染すると考えられています。
昭和初期および戦後では代表的な感染症の1つでしたが、衛生面が大きく向上した現代では、国内で感染・発症する数は激減しており、海外渡航歴のある方の発症の割合が高くなっています。
感染しても1~3週間は症状がなく、その後高熱や頭痛、発疹を起こします。重症化すると腸から出血したり、腸に穴が開いたりします。
発症年齢・発症率について
腸チフスはチフス菌の感染によって引き起こされる感染症ですので、どの年代・性別でも発症し得る疾患です。
解析遺伝子情報
関連遺伝子 | 説明 |
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HLA-DRB1 | HLA-DRB1免疫応答において、自己と非自己を見分けるための目印となるタンパク質を産生する遺伝子です。この遺伝子がTT型TG型の場合、腸チフスの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。 |