Genesis2.0Plus遺伝子検査項目 - 疾患_消化器

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バレット食道

項目概要

バレット食道は、食道下部の組織が、胃にあるはずの円柱上皮に置き換えられている状態を指します。このような症状は、胃酸の逆流によるダメージ(逆流性食道炎)を繰り返すことで生じると考えられています。
バレット食道の多くには腸上皮化成という食道がんのリスク要因が含まれているため、食道がんに対して注意が必要となります。
日本でも食生活の欧米化に伴い、今後増加する疾患であると考えられています。

発症年齢・発症率について

バレット食道は定義が統一されてないこともあり、詳細は分かっておりません。その誘因となる逆流性食道炎は、日本人で10%前後の有病率と言われています。

解析遺伝子情報

関連遺伝子説明
OR2D12, OR2D13, MHCMHC(主要組織適合複合体)領域は免疫系において自他を識別するために極めて重要な役割を担う遺伝子領域です。この遺伝子がAA型AG型の場合、バレット食道の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
FOXF1, LOC732275FOXF1遺伝子はフォークヘッド型転写因子の一種を産生する遺伝子であり、肺特異的な遺伝子の発現を制御していると考えられています。この遺伝子がTC型CC型の場合、バレット食道の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
 

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セリアック病

項目概要

セリアック病は、グルテンを含む麦製品を食べることで起きる自己免疫疾患です。セリアック病の方がグルテンを摂取すると、身体の免疫細胞がグルテンを外敵と勘違いし、激しく攻撃します。これにより、小腸で炎症が起き、小腸の表面がボロボロになってしまう病気です。
悪化すると、小腸からの栄養の吸収が十分できなくなってしまい、栄養失調になってしまいます。

発症年齢・発症率について

セリアック病は欧米に多く、欧米では100人~150人に1人の割合で発症すると言われています。
日本ではその実態が不明ではありますが、食生活の欧米化によって増加傾向にあると言われています。

解析遺伝子情報

関連遺伝子説明
RGS1RGS1遺伝子はGタンパク質シグナル伝達ファミリーの調節因子の一種を産生する遺伝子です。この遺伝子がTG型GG型の場合、セリアック病の遺伝的リスクが低い傾向にあると報告されています。
AHSA2AHSA2遺伝子は他のタンパク質の構造を変換する酵素を産生する遺伝子であり、ストレス応答に重要な熱ショックタンパク質を活性化する機能があります。この遺伝子がAG型GG型の場合、セリアック病の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
IL18RAPIL18RAP遺伝子はインターロイキン18受容体の付属タンパク質を産生する遺伝子です。この遺伝子がAA型AG型の場合、セリアック病の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
CCR3CCR3遺伝子はケモカイン受容体の一種を産生する遺伝子であり、さまざまなアレルギー反応に関与していることが示唆されています。この遺伝子がTT型TC型の場合、セリアック病の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
IL12AIL12A遺伝子はT細胞やナチュラルキラー細胞に作用するサイトカインのサブユニットを産生する遺伝子です。この遺伝子がAG型GG型の場合、セリアック病の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
LPPLPP遺伝子は細胞-細胞接着および細胞運動に関与するタンパク質を産生する遺伝子であると考えられています。。この遺伝子がTT型TG型の場合、セリアック病の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
IL2IL2遺伝子はT細胞やB細胞の増殖に重要なサイトカインを産生する遺伝子です。この遺伝子がAG型GG型の場合、セリアック病の遺伝的リスクが低い傾向にあると報告されています。
HLA-DQHLA-DQ遺伝子は免疫応答において、自己と非自己を見分けるための目印となるタンパク質を産生する遺伝子です。この遺伝子がAA型AG型の場合、セリアック病の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
TNFAIP3TNFAIP3遺伝子はアポトーシス(細胞自身によって計画された細胞死)に関与するタンパク質を産生する遺伝子です。この遺伝子がAG型GG型の場合、セリアック病の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
TAGAPTAGAP遺伝子は免疫応答に関わるT細胞を活性化するタンパク質を産生する遺伝子です。この遺伝子がAA型AG型の場合、セリアック病の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
ETS1ETS1遺伝子はETSファミリーに属する転写因子を産生する遺伝子であり、幹細胞発達、細胞老化、細胞老化や腫瘍形成などに関与していると考えられています。この遺伝子がTT型TC型の場合、セリアック病の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
SH2B3SH2B3遺伝子はサイトカインのシグナル伝達の抑制因子を産生する遺伝子であり、造血過程で重要な役割を果たしていると考えられています。この遺伝子がAG型GG型の場合、セリアック病の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
 

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B型慢性肝炎

項目概要

B型慢性肝炎は、B型肝炎ウイルス(HBV)に感染することで発症する慢性疾患です。
出産時ないし乳幼児期にHBVに感染すると10~30歳代で肝炎を起こしますが、その後は肝機能が安定する非活動型に移行する場合が多いようです。ただし残りの10%程度の人はB型慢性肝炎へと移行します。
B型慢性肝炎になると、肝臓の機能が徐々に失われていき、肝硬変や肝臓がんを引き起こすことが知られています。
この疾患は、ウイルス感染が原因なので、ウイルス感染を防ぐことで完全に予防することができます。
 

発症年齢・発症率について

B型慢性肝炎はB型肝炎ウイルスに感染することによって発症する疾患です。B型肝炎ウイルスに感染しなければ発症することはありません。

解析遺伝子情報

関連遺伝子説明
HLA-DPA1HLA-DPA1遺伝子は免疫応答において、自己と非自己を見分けるための目印となるタンパク質を産生する遺伝子です。この遺伝子がTC型CC型の場合、B型慢性肝炎の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
HLA-DPB1HLA-DPB1遺伝子は免疫応答において、自己と非自己を見分けるための目印となるタンパク質を産生する遺伝子です。この遺伝子がAG型GG型の場合、B型慢性肝炎の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
HLA-DQB1HLA-DQB1遺伝子は免疫応答において、自己と非自己を見分けるための目印となるタンパク質を産生する遺伝子です。この遺伝子がAA型AG型の場合、B型慢性肝炎の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
HLA-DQB2HLA-DQB2遺伝子は免疫応答において、自己と非自己を見分けるための目印となるタンパク質を産生する遺伝子です。この遺伝子がAG型GG型の場合、B型慢性肝炎の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
 

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C型慢性肝炎

項目概要

C型慢性肝炎は、C型肝炎ウイルス(HCV)に感染することで発症する慢性疾患です。肝臓の機能が徐々に失われていき、肝硬変や肝臓がんを引き起こすことが知られています。
この疾患は、ウイルス感染が原因なので、ウイルス感染を防ぐことで完全に予防することができます。
 

発症年齢・発症率について

C型慢性肝炎はC型肝炎ウイルスに感染することによって発症する疾患です。HCVに感染しなければ発症することはありません。

解析遺伝子情報

関連遺伝子説明
HLA-DQB1, HLA-DQA1HLA-DQB1遺伝子は免疫応答において、自己と非自己を見分けるための目印となるタンパク質を産生する遺伝子です。この遺伝子がAG型GG型の場合、C型慢性肝炎の遺伝的リスクが低い傾向にあると報告されています。
DEPDC5DEPDC5遺伝子は現在研究中の遺伝子であり、その詳細な機能は不明です。しかし、この遺伝子がAC型CC型の場合、C型慢性肝炎の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
 

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大腸がん

項目概要

大腸は消化吸収された食物の残りかすから水分を吸収する器官です。結腸・直腸・肛門の3つに分けられます。これらの部位にできるがんを大腸がんと言います。
大腸がんの罹患率はがん疾患の中で第一位(男女合計値)となっており、性別で見ても男女ともに第二位と高く、性別に関係なく気を付けるべきがん疾患となっています。
早期の段階では自覚症状はありませんが、血便、下血、下痢と便秘の繰り返し、便が細い、便が残る感じ、おなかが張る、腹痛、貧血、原因不明の体重減少などが主な症状としてあげられます。

発症年齢・発症率について

大腸がんの罹患率は40歳代から少しずつ増加し始め、50歳代で大きく増加し、高齢になるほど高くなります。
大腸がんの年間罹患率は人口10万人あたり男性で124.7人、女性で87.4人と報告されています。
大腸がん全体としてみると男性の方が女性よりも罹患率が高いようです。ただし、男女で特に大きな差が見られるのは大腸がんの中でも直腸がんとなっています。

解析遺伝子情報

関連遺伝子説明
CTNNB1CTNNB1遺伝子は細胞間接着に関わるタンパク質を産生する遺伝子であり、細胞間の接触による増殖の調整などに機能することが知られています。この遺伝子がTA型AA型の場合、大腸がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
PITX1PITX1遺伝子はホメオボックスに属する転写因子を産生する遺伝子であり、臓器発達や左右非対称性に関与することが知られています。この遺伝子がAA型AC型の場合、大腸がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
CDKN1ACDKN1A遺伝子は細胞周期の進行を調節するタンパク質の一種を産生する遺伝子です。この遺伝子がTT型TG型の場合、大腸がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
SLC22A3SLC22A3遺伝子は低分子有機カチオン輸送タンパク質を産生する遺伝子であり、腸、肝臓、腎臓などで薬物や環境毒素などの排除にも関与することが知られています。この遺伝子がTT型TG型の場合、大腸がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
EIF3HEIF3H遺伝子はタンパク質合成の開始に必要な翻訳開始因子の一種を産生する遺伝子です。この遺伝子がAC型CC型の場合、大腸がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
intergenic遺伝子の特定には至っていませんが、この部位がTG型GG型の場合、大腸がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
VTI1AVTI1A遺伝子は細胞内の物質輸送に関与するタンパク質を産生する遺伝子です。この遺伝子がTC型CC型の場合、大腸がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
MYRF, FADS1, FADS2, FEN1MYRF遺伝子は神経細胞で発現する転写因子を産生する遺伝子であり、神経細胞の軸索を覆う髄鞘の形成に関わると考えられています。この遺伝子がTG型GG型の場合、大腸がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
C11orf93C11orf93遺伝子は現在研究中の遺伝子であり、その詳細な機能は不明です。しかし、この遺伝子がAC型CC型の場合、大腸がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
CCND2CCND2遺伝子は細胞周期の調節に重要な役割を担うタンパク質を産生する遺伝子です。この遺伝子がTT型TC型の場合、大腸がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
SMAD7SMAD7遺伝子はシグナル伝達と転写調節に関与するSMADファミリーに属するタンパク質を産生する遺伝子です。この遺伝子がTT型TC型の場合、大腸がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
HAO1HAO1遺伝子はヒドロキシ酸オキシダーゼを産生する遺伝子です。この遺伝子がTC型CC型の場合、大腸がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
 

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クローン病

項目概要

大腸及び小腸の粘膜に慢性の炎症または潰瘍をひきおこす原因不明の疾患をまとめて、炎症性腸疾患(IBD)と呼びます。クローン病はこの炎症性腸疾患のうちの一種です。ちなみに病名のクローンは、この病気を初めて報告した人の名前に由来しています。
 

発症年齢・発症率について

日本国内でのクローン病の発症率は人口10万人あたり27人程度となっており、この割合は欧米の1/10です。ただし、食生活の欧米化に伴い、日本でも急速に増加しているため、今後、注意が必要な疾患と言えます。
10歳代~20歳代の若年者に発症しやすく、男女比はおおよそ2:1で男性の方がやや多くなっています。

解析遺伝子情報

関連遺伝子説明
TBC1D1TBC1D1遺伝子は現在研究中の遺伝子であり、その詳細な機能は不明です。しかし、この遺伝子がAA型AG型の場合、クローン病の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
HLA-DRB1, HLA-DQB1HLA-DRB1遺伝子やHLA-DQB1遺伝子は免疫応答において、自己と非自己を見分けるための目印となるタンパク質を産生する遺伝子です。この遺伝子がTG型GG型の場合、クローン病の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
TNFSF15TNFSF15遺伝子は内皮細胞の増殖を阻害するタンパク質を産生する遺伝子です。この遺伝子がTT型TC型の場合、クローン病の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
ELF1ELF1遺伝子はリンパ球特異的な転写因子の一種を産生する遺伝子であり、T細胞の活性化時に重要な役割を果たしています。この遺伝子がAG型GG型の場合、クローン病の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
STAT3STAT3遺伝子は細胞増殖やアポトーシスなど多くの細胞プロセスに関与するタンパク質を産生する遺伝子です。この遺伝子がAA型AC型の場合、クローン病の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
 

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十二指腸潰瘍

項目概要

十二指腸は、胃と小腸をつなぐ消化管であり、おおよそ指の幅12本分の長さであることからこの名前が付いています。十二指腸潰瘍は、この十二指腸の粘膜に損傷が起きている(潰瘍ができている)状態を言います。
本来、粘膜で保護されるべき部位に胃酸などの消化液が触れてしまうため、キリキリと差し込むような痛みが生じます。

発症年齢・発症率について

十二指腸潰瘍は20代~30代の比較的若い世代に多く発症し、男女比では男性の方が3倍ほど発症者が多いようです。

解析遺伝子情報

関連遺伝子説明
PSCAPSCA遺伝子は膜糖タンパクの一種を産生する遺伝子であり、前立腺や膀胱、胎盤、大腸、腎臓、胃などで発現していることが知られています。この遺伝子がTC型CC型の場合、十二指腸潰瘍の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
ABOABO遺伝子は糖転移酵素を産生する遺伝子であり、血液型(ABO式)の決定に重要な機能を持つことが知られています。この遺伝子がTT型の場合、十二指腸潰瘍の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
 

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食道がん

項目概要

食道とは喉と胃の間をつなぐ管状の臓器です。この食道にできるがんを食道がんと言います。日本人に多い食道がんは、食道の内面をおおっている粘膜の表面にある上皮から発生する扁平上皮がんで、食道がん全体の90%以上を占めます。
早期の食道がんは症状がでないことも多く、見逃しがちです。ただし、食べ物を飲み込んだときに胸の奥がチクチク痛んだり、熱いものを飲み込んだときにしみるように感じるといった症状が出ることもあるようです。

発症年齢・発症率について

食道がんの多くは40歳以降に発生します。発症頻度は人口10万人あたり、男性では30.0人、女性では5.2人となっており、男性の方が女性よりも5倍以上多いと報告されています。飲酒習慣のある中高年男性は特に注意を払うべき疾患の1つと言えるでしょう。

解析遺伝子情報

関連遺伝子説明
ST6GAL1ST6GAL1遺伝子は現在研究中の遺伝子であり、その詳細な機能は不明です。しかし、この遺伝子がTT型TC型の場合、食道がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
ADH6, ADH1BADH1B遺伝子はアルコールを分解する酵素を産生する遺伝子です。この遺伝子がAG型GG型の場合、食道がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
PDE4DPDE4D遺伝子は細胞内シグナル伝達物質であるcAMPの代謝に関わる酵素を産生する遺伝子です。この遺伝子がAC型CC型の場合、食道がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
TMEM173TMEM173遺伝子は免疫応答の制御因子として機能するタンパク質を産生する遺伝子です。この遺伝子がGG型GC型の場合、食道がんの遺伝的リスクが低い傾向にあると報告されています。
UNC5CLUNC5CL遺伝子はアポトーシス(細胞自身によって計画された細胞死)に関与するタンパク質を産生する遺伝子です。この遺伝子がAG型GG型の場合、食道がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
PLCE1PLCE1遺伝子はリン脂質加水分解酵素であるホスホリパーゼCイプシロン1を産生する遺伝子で、リン脂質をジアシルグリセロールとイノシトール1,4,5-三リン酸エステルに加水分解します。この遺伝子がAG型GG型の場合、食道がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
BRAP, ALDH2遺伝子の特定には至っていませんが、この部位の近傍にはアセトアルデヒドの代謝に関わるALDH2遺伝子があります。この部位がAA型AG型の場合、食道がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
ANP32AANP32A遺伝子は増殖、分化、細胞死(アポトーシス)、遺伝子発現調節などのさまざまな細胞内プロセスに重要なリン酸化タンパク質を産生する遺伝子です。この遺伝子がAA型AT型の場合、食道がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
HEATR3HEATR3遺伝子はリボソームタンパク質輸送と5Sリボヌクレオタンパク質粒子(5S RNP)形成に関与するタンパク質を産生する遺伝子です。この遺伝子がTT型TC型の場合、食道がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
HAP1HAP1遺伝子はハンチントン病に関わるハンチンチンタンパク質や細胞骨格タンパク質などと相互作用するタンパク質を産生する遺伝子です。この遺伝子がAA型AT型の場合、食道がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
RUNX1RUNX1遺伝子は血球の発生分化に関与すると考えられているタンパク質を産生する遺伝子です。この遺伝子がAG型GG型の場合、食道がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
CHEK2CHEK2遺伝子は細胞周期チェックポイント制御因子を産生する遺伝子であり、DNA損傷時や、DNA複製が阻害された際に細胞周期の進行を停止する機能を持つことが知られています。この遺伝子がTT型TC型の場合、食道がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
 

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胆嚢がん

項目概要

胆嚢(たんのう)は肝臓と十二指腸を繋ぐ胆管の途中にあり、肝臓で作られる胆汁という消化液を貯めておく袋状の臓器です。この胆嚢にできるがんのことを胆嚢がんといいます。
国際的に見ると胆嚢がんは日本人にやや多い傾向がありますが、近年は日本でも発症率が横ばいかやや減少の傾向が見られています。

発症年齢・発症率について

人口10万人あたりの胆嚢・胆管がんの罹患率は、男性では約19人、女性では約18人となっており、男女差はあまりありません。

解析遺伝子情報

関連遺伝子説明
DCCDCC遺伝子はネトリン受容体を産生する遺伝子であり、神経細胞の軸索の伸長に関わることが知られています。この遺伝子がTT型TC型の場合、胆嚢がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
 

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胆石

項目概要

胆石は、胆嚢や胆管(胆道)に形成された結石のことです。胆汁が固まってできると考えられていますが、その成分によってコレステロール結石やビリルビンカルシウム結石など、さまざまな種類があります。
胆石ができても無症状の人が大半ですが、胆石発作を起こすと激しい痛みが生じます。
胆石形成の危険因子は高齢、肥満、洋風の食生活、胆石の家族歴などがあります。

発症年齢・発症率について

発症頻度は高く、10人に1人が胆石を持っているとも言われており、特に中高年の肥満女性に多いようです。

解析遺伝子情報

関連遺伝子説明
ABCG8ABCG8遺伝子はABCトランスポーターの一種を産生する遺伝子であり、非コレステロール・ステロールの腸管腔への輸送に関与しています。この遺伝子がGC型CC型の場合、胆石の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
 

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胃がん

項目概要

胃にできるがんを胃がんと言い、日本人を含む東アジア人に多いがんの1つです。日本人男性に発生しやすいがんの第1位であり、女性でも第3位に位置しています。ヘリコバクター・ピロリという胃の中に住む細菌が胃がんを引き起こす原因になっていることが知られています。
初期の胃がんは自覚症状が出ることがあまりなく、ある程度進行すると胃の痛み、不快感・違和感、胸やけ、吐き気、食欲不振などの症状がでます。ただし、これらの症状は胃の他の疾患でも見られることから、見逃してしまいがちではあります。
 

発症年齢・発症率について

胃がんの罹患率は40歳代後半以降に高くなります。人口10万人あたりの胃がんの罹患率は、男性では約146人、女性では約62人となっています。特に働き盛りの中高年の男性が注意すべきがんの筆頭と言えるでしょう。

解析遺伝子情報

関連遺伝子説明
MUC1MUC1遺伝子は粘膜の構成成分の1つであるムチンタンパク質を産生する遺伝子です。この遺伝子がAA型AG型の場合、胃がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
PRKAA1PRKAA1遺伝子は5’-AMPによって活性化されるタンパク質リン酸化酵素であり、ATPが枯渇しないように、細胞内のエネルギー消費を調整する役割を担っています。この遺伝子がAA型AG型の場合、胃がんの遺伝的リスクが低い傾向にあると報告されています。
UNC5CLUNC5CL遺伝子はアポトーシス(細胞自身によって計画された細胞死)に関与するタンパク質を産生する遺伝子です。この遺伝子がTC型CC型の場合、胃がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
PSCAPSCA遺伝子は膜糖タンパクの一種を産生する遺伝子であり、前立腺や膀胱、胎盤、大腸、腎臓、胃などで発現していることが知られています。この遺伝子がTT型TC型の場合、胃がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
PLCE1PLCE1遺伝子はリン脂質加水分解酵素であるホスホリパーゼCイプシロン1を産生する遺伝子で、リン脂質をジアシルグリセロールとイノシトール1,4,5-三リン酸エステルに加水分解します。この遺伝子がAG型GG型の場合、胃がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
 

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C型慢性肝炎に伴う肝硬変

項目概要

C型慢性肝炎になると肝臓で慢性的に炎症が続くようになり、肝臓の細胞が徐々に破壊されてしまいます。破壊された肝臓は線維化して硬くなり、肝硬変が生じます。これがC型慢性肝炎に伴って生じる肝硬変です。

発症年齢・発症率について

C型慢性肝炎に伴う肝硬変はC型肝炎ウイルスに感染しなければ発症しない疾患です。

解析遺伝子情報

関連遺伝子説明
C6orf10/TSBPC6orf10遺伝子は現在研究中の遺伝子であり、その機能は不明です。しかし、この遺伝子がAA型AG型の場合、C型慢性肝炎に伴う肝硬変の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
intergenic遺伝子の特定には至っていませんが、この部位がTC型CC型の場合、C型慢性肝炎に伴う肝硬変の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
 

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肝臓がん

項目概要

肝臓は体内最大の臓器で、身体の中にある有害物質を解毒し、排出する形に変換する役目を持っています。肝臓がんはこの肝臓にできるがんのことです。
肝臓がんは日本人がなりやすいがんランキングの男性第4位、女性でも第6位に位置しており、男女合計でも第5位となっています。
肝臓は「沈黙の臓器」とも言われ、かなり進行してからでないと症状が出にくい臓器として知られています。肝臓がんも同様で、初期症状はほとんど無く、かなり進行してから食欲不振やからだのだるさ、腹部の張りやしこりなどの自覚症状が現れることがことがあります。

発症年齢・発症率について

肝臓がんは男性では45歳以降、女性では55歳以降に罹患率が上昇し始めます。年間罹患率は人口10万人当たり、男性では46.1人、女性では23.0人となっており、男性の方が倍くらい多いようです。

解析遺伝子情報

関連遺伝子説明
MICAMICA遺伝子はNKG2-DタイプII内在性膜タンパク質受容体の基質となるタンパク質を産生する遺伝子です。この遺伝子がAA型AG型の場合、肝臓がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
 

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炎症性腸疾患

項目概要

炎症性腸疾患とは、潰瘍性大腸炎やクローン病などの腸の粘膜に慢性の炎症を引き起こす病気の総称です。潰瘍性大腸炎とクローン病の症状は異なりますが、どちらも自己免疫による影響で症状が現れると考えられています。近年、大幅に増加している疾患であり、注意が必要です。

発症年齢・発症率について

10~20歳代の若年世代に発症しやすく、男女比では男性が2に対して女性が1と、やや男性の方が多い疾患です。

解析遺伝子情報

関連遺伝子説明
UCNUCN遺伝子は食欲に対するストレスに関与するタンパク質を産生する遺伝子です。この遺伝子がAA型AG型の場合、炎症性腸疾患の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
TBC1D1TBC1D1遺伝子は現在研究中の遺伝子であり、その詳細な機能は不明です。しかし、この遺伝子がAA型AG型の場合、炎症性腸疾患の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
IL12BIL12B遺伝子はT細胞やナチュラルキラー細胞に作用するサイトカインのサブユニットを産生する遺伝子です。この遺伝子がAA型AC型の場合、炎症性腸疾患の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
NFKBIL1NFKBIL1遺伝子は現在研究中の遺伝子であり、その詳細な機能は不明です。しかし、この遺伝子がTT型TC型の場合、炎症性腸疾患の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
TNFSF15TNFSF15遺伝子は内皮細胞の増殖を阻害するタンパク質を産生する遺伝子です。この遺伝子がTT型TC型の場合、炎症性腸疾患の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
CREMCREM遺伝子はcAMPに応答する転写因子を産生する遺伝子であり、生み出されるタンパク質の種類により転写の活性も抑制にも働きます。この遺伝子がCG型GG型の場合、炎症性腸疾患の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
NKX2-3NKX2-3遺伝子はホメオドメインを持つ転写因子の一種であり、分化した組織の機能維持や特異化に関与していると考えられています。この遺伝子がTT型TG型の場合、炎症性腸疾患の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
ELF1ELF1遺伝子はリンパ球特異的な転写因子の一種を産生する遺伝子であり、T細胞の活性化時に重要な役割を果たしています。この遺伝子がAG型GG型の場合、炎症性腸疾患の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
ELF1ELF1遺伝子はリンパ球特異的な転写因子の一種を産生する遺伝子であり、T細胞の活性化時に重要な役割を果たしています。この遺伝子がTC型CC型の場合、炎症性腸疾患の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
GPR65GPR65遺伝子はGタンパク質共役型受容体の一種を産生する遺伝子です。この遺伝子がTT型TC型の場合、炎症性腸疾患の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
STAT3STAT3遺伝子は細胞増殖やアポトーシスなど多くの細胞プロセスに関与するタンパク質を産生する遺伝子です。この遺伝子がAA型AG型の場合、炎症性腸疾患の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
 

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鼠径ヘルニア

項目概要

鼠径ヘルニアは、別名「脱腸」とも言われる症状で、太ももの付け根の周辺から腸や腹膜の一部が飛び出してしまった状態を言います。
最初のうちは押せば元に戻ったりしますが、飛び出た状態が慢性化すると腸の壊死などを引き起こす恐れがあるため、早めの対策が必要な疾患です。

発症年齢・発症率について

40歳以上の男性に多いと言われており、特にお腹に力を入れることが多い職業の方がなりやすいようです。

解析遺伝子情報

関連遺伝子説明
EFEMP1EFEMP1遺伝子は細胞外マトリックス糖タンパク質であるフィブリンの一種を産生する遺伝子です。この遺伝子がTT型TC型の場合、鼠径ヘルニアの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
ADAMTS6ADAMTS6遺伝子はペプチダーゼ活性と金属ペプチダーゼ活性を有するADAMTSタンパク質ファミリーのひとつを産生する遺伝子です。この遺伝子がAA型AT型の場合、鼠径ヘルニアの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
EBF2EBF2遺伝子はヘリックスループへリックス型転写因子の一種を産生する遺伝子であり、骨芽細胞の分化に関わると考えられています。この遺伝子がAG型GG型の場合、鼠径ヘルニアの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
WT1WT1遺伝子は細胞の発生や生存に重要な役割を果たす転写因子を産生する遺伝子です。この遺伝子がTG型GG型の場合、鼠径ヘルニアの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
 

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妊娠性肝内胆汁うっ滞

項目概要

妊娠期はホルモンバランスの変化により、さまざまな症状が起こることが知られています。妊娠性肝内胆汁うっ滞もその1つであり、ホルモンバランスの変化により胆管を通る胆汁の流れが悪くなる肝臓疾患です。症状としては、全身に強いかゆみが生じる、黄疸が出るなどがあります。

発症年齢・発症率について

妊婦がかゆみを訴える割合は、妊婦の2~3%程度と言われています。

解析遺伝子情報

関連遺伝子説明
ABCB11ABCB11遺伝子はABCトランスポーターの一種を産生する遺伝子であり、様々な物質(胆汁酸や環状ヌクレオチドなど)の細胞内外への輸送に関与することが知られています。この遺伝子がAG型GG型の場合、妊娠性肝内胆汁うっ滞の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
 

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過敏性腸症候群

項目概要

過敏性腸症候群は、下痢や便秘を慢性的にくりかえす疾患です。内視鏡検査や便の検査をしてみても異常が見つからないにも関わらず、症状が続くことから、主にストレスによって引き起こされると考えられています。

発症年齢・発症率について

調査により異なりますが、日本人の10~20%が発症しているとも言われており、かなり発症頻度の高い疾患であると言えます。年代別に見ると20~30歳代に多く、男女比ではやや女性の方が多いようです。ただし、男性は下痢型、女性は便秘型が目立つと言われており、症状の現れ方に性別差があるようです。

解析遺伝子情報

関連遺伝子説明
HES6HES6遺伝子は塩基性ヘリックスループへリックス型転写因子を産生する遺伝子であり、さまざまな細胞の発生や分化の制御に関与していると考えられています。この遺伝子がAA型AC型の場合、過敏性腸症候群の遺伝的リスクが低い傾向にあると報告されています。
FGF2FGF2遺伝子は線維芽細胞成長因子に属するタンパク質の一種を産生する遺伝子であり、指の形成や神経の発達、傷の治癒などに関与することが知られています。この遺伝子がAG型GG型の場合、過敏性腸症候群の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
KDELR2KDELR2遺伝子はゴルジ体と小胞体の間を行き来している受容体の一種を産生する遺伝子です。この遺伝子がTT型TC型の場合、過敏性腸症候群の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
PCDH15PCDH15遺伝子はカドヘリンファミリーに属するタンパク質を産生する遺伝子であり、網膜や蝸牛の機能維持に関与しています。この遺伝子がTT型TC型の場合、過敏性腸症候群の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
 

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複数のがん(肺がん、胃がん、および食道がん)

項目概要

この項目は複数のがんを総合的に判断する項目です。
中国の研究で、肺がん・胃がん・食道がん(扁平上皮がん)の3種類に共通する遺伝子領域を探す研究が行われ、2か所のゲノム領域がそれらのがんの共通のリスク要因になることが明らかにされました。

発症年齢・発症率について

人口10万人あたり、肺がんは男性で124人、女性で55人、胃がんは男性では約146人、女性では約62人、食道がんは男性では30.0人、女性では5.2人となっています。

解析遺伝子情報

関連遺伝子説明
LRFN2LRFN2遺伝子は神経突起の成長やイオンチャネルの形成を促進するタンパク質を産生する遺伝子です。この遺伝子がAA型AG型の場合、複数のがん(肺がん、胃がん、および食道がん)の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
DNAH11DNAH11遺伝子は分子モーターの一種であるダイニンというタンパク質を産生する遺伝子であり、細胞の繊毛や鞭毛の運動に関与すると考えられています。この遺伝子がAA型AG型の場合、複数のがん(肺がん、胃がん、および食道がん)の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
 

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非アルコール性脂肪肝

項目概要

脂肪肝とは、肝臓に必要以上の脂肪が蓄積された状態のことを言います。非アルコール性脂肪肝とは、アルコールの摂取以外を原因とする脂肪肝のことであり、肥満や糖尿病、脂質異常症などを原因として生じると考えられています。
この症状がさらに進行すると非アルコール性脂肪性肝炎となり、肝硬変や肝臓がんのリスク要因となります。非アルコール性脂肪肝と言われたら注意が必要です。

発症年齢・発症率について

国内に推定1,000万人の患者がいると考えられています。ちなみに、このうち非アルコール性脂肪性肝炎へと進行している人は100~200万人と推定されています。

解析遺伝子情報

関連遺伝子説明
PNPLA3PNPLA3遺伝子はトリアシルグリセロール分解酵素を産生する遺伝子であり、エネルギーの使用と貯蔵のバランスに関与していると考えられています。この遺伝子がCG型GG型の場合、非アルコール性脂肪肝の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
PNPLA3PNPLA3遺伝子はトリアシルグリセロール分解酵素を産生する遺伝子であり、エネルギーの使用と貯蔵のバランスに関与していると考えられています。この遺伝子がTG型GG型の場合、非アルコール性脂肪肝の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
 

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非噴門胃がん

項目概要

食道と胃が繋がっている部分(胃の入り口近辺)のことを噴門部と言います。この噴門部以外の部分にできる胃がんのことを非噴門胃がんと言います。
初期の胃がんは症状がほとんどありません。ある程度進行すると胃に違和感や痛みを感じる、消化不良や胸やけ、膨満感があるなどの症状が現れます。

発症年齢・発症率について

非噴門胃がんに限らず、胃がん全体の情報となりますが、胃がんの罹患率は40歳代後半以降に高くなります。人口10万人あたりの胃がんの罹患率は、男性では約146人、女性では約62人となっています。特に働き盛りの中高年の男性が注意すべきがんの筆頭と言えるでしょう。

解析遺伝子情報

関連遺伝子説明
MUC1MUC1遺伝子は粘膜の構成成分の1つであるムチンタンパク質を産生する遺伝子です。この遺伝子がAG型GG型の場合、非噴門胃がんの遺伝的リスクが低い傾向にあると報告されています。
PRKAA1PRKAA1遺伝子は5’-AMPによって活性化されるタンパク質リン酸化酵素であり、ATPが枯渇しないように、細胞内のエネルギー消費を調整する役割を担っています。この遺伝子がAA型AG型の場合、非噴門胃がんの遺伝的リスクが低い傾向にあると報告されています。
lnc-POLR3G-4lnc-POLR3G-4遺伝子は機能性RNAの一種を産生する遺伝子であると考えられていますが、その詳細な機能は不明です。この遺伝子がTT型TC型の場合、非噴門胃がんの遺伝的リスクが低い傾向にあると報告されています。
UNC5CLUNC5CL遺伝子はアポトーシス(細胞自身によって計画された細胞死)に関与するタンパク質を産生する遺伝子です。この遺伝子がTC型CC型の場合、非噴門胃がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
PSCAPSCA遺伝子は膜糖タンパクの一種を産生する遺伝子であり、前立腺や膀胱、胎盤、大腸、腎臓、胃などで発現していることが知られています。この遺伝子がTT型TC型の場合、非噴門胃がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
 

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潰瘍性大腸炎

項目概要

潰瘍性大腸炎は、大腸の粘膜に炎症や潰瘍を起こす疾患です。
自身の免疫系に何らかの異常が生じ、大腸の粘膜を攻撃することで発症すると考えられています。
症状として血便や下痢、腹痛などがあります。潰瘍性大腸炎は良くなったり(寛解)、悪くなったり(再燃)を繰り返すため、食生活や腸内細菌、ストレスなどの影響を受けていると考えられます。

発症年齢・発症率について

どの年代でも発症するリスクはありますが、特に20~30歳代の若者に発症しやすい傾向があります。男女比は1:1で、発症のしやすさに男女の違いは見られていません。

解析遺伝子情報

関連遺伝子説明
FCGR2AFCGR2A遺伝子は免疫グロブリン受容体を産生する遺伝子で、食作用や免疫複合体の除去に関与しています。この遺伝子がTC型CC型の場合、潰瘍性大腸炎の遺伝的リスクが低い傾向にあると報告されています。
HLAHLA遺伝子は免疫応答において、自己と非自己を見分けるための目印となるタンパク質を産生する遺伝子です。この遺伝子がTT型TC型の場合、潰瘍性大腸炎の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
 

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ノロウイルス感染

項目概要

ノロウイルスは激しい嘔吐や下痢を引き起こすことが知られている、非常に感染力の強いウイルスです。
主な感染経路としては、ノロウイルスに汚染された食品の摂取(カキ、ハマグリ、ムール貝などの二枚貝)による感染、ノロウイルス感染者の嘔吐物や糞便の飛沫による飛沫感染があります。特に後者は、特定の施設(学校や病院など)に持ち込まれると爆発的に感染が拡がる恐れがあり、細心の注意が必要です。
ノロウイルスには、感染しても発症しない人(不顕性感染の人)がおり、そのような人にはある遺伝的な特徴があることが報告されています。なお、残念ながら日本人の大部分はノロウイルスに感染すると発症するタイプであり、不顕性で済む方は非常に少ないと考えられています。

発症年齢・発症率について

ノロウイルスは空気が乾燥した冬期に流行しやすいウイルスです。特に病院や学校など、人が密集した閉鎖空間では注意が必要です。

解析遺伝子情報

関連遺伝子説明
FUT2FUT2遺伝子はフコシル基転移酵素の一種を産生する遺伝子であり、この遺伝子はABO式血液型の判定に使われる抗原が唾液中などにも分泌するタイプか否かの決定にも関与することが知られています。この遺伝子がAG型GG型の場合、ノロウイルス感染の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
 

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肥厚性幽門狭窄症

項目概要

肥厚性幽門狭窄症は乳児がなる疾患です。胃の出口のことを幽門と言いますが、この幽門近傍がなんらかの原因で厚くなり、胃の出口が狭くなってしまう疾患です。飲んだミルクが胃から腸へ流れないため、口から噴水のように勢いよく噴き出す症状が見られます。

発症年齢・発症率について

生後2週間~3カ月くらいの乳児がなりやすい疾患です。男女別では男の子の方がなりやすいようです。

解析遺伝子情報

関連遺伝子説明
MBNL1MBNL1遺伝子はジンクフィンガーに属するタンパク質を産生する遺伝子であり、RNAの選択的スプライシングに関与することが知られています。この遺伝子がAA型AG型の場合、肥厚性幽門狭窄症の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
none遺伝子の特定には至っていませんが、この部位がTG型GG型の場合、肥厚性幽門狭窄症の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
BNIP1, NKX2-5遺伝子の特定には至っていませんが、この部位の近傍にはアポトーシス(細胞自身によって計画された細胞死)の制御に関わるBNP1遺伝子があります。この部位がAA型AG型の場合、肥厚性幽門狭窄症の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
LINC01312, TARIDTARID遺伝子は機能性RNAの一種であり、クロマチンの制御を介して近傍の遺伝子の発現を制御していると考えられています。この遺伝子がTC型CC型の場合、肥厚性幽門狭窄症の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
SIK3SIK3遺伝子はセリンスレオニンリン酸化酵素の一種を産生する遺伝子です。この遺伝子がTG型GG型の場合、肥厚性幽門狭窄症の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
LDLRLDLR遺伝子は血液中のLDLコレステロール(悪玉コレステロール)と結合し、細胞に取り込むタンパク質を産生する遺伝子です。この遺伝子がTT型TC型の場合、肥厚性幽門狭窄症の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
 

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腸チフス

項目概要

腸チフスは、サルモネラの一種であるチフス菌の感染によって引き起こされる感染症であり、主な症状は腹痛と下痢、発熱などがあります。感染者の尿や排泄物を介して感染すると考えられています。
昭和初期および戦後では代表的な感染症の1つでしたが、衛生面が大きく向上した現代では、国内で感染・発症する数は激減しており、海外渡航歴のある方の発症の割合が高くなっています。
感染しても1~3週間は症状がなく、その後高熱や頭痛、発疹を起こします。重症化すると腸から出血したり、腸に穴が開いたりします。

発症年齢・発症率について

腸チフスはチフス菌の感染によって引き起こされる感染症ですので、どの年代・性別でも発症し得る疾患です。

解析遺伝子情報

関連遺伝子説明
HLA-DRB1HLA-DRB1免疫応答において、自己と非自己を見分けるための目印となるタンパク質を産生する遺伝子です。この遺伝子がTT型TG型の場合、腸チフスの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
 

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スキルス胃がん

項目概要

スキルス胃がんは胃がんの一種で、胃がん全体の約10%程度を占めます。胃の壁に沿うように広がっていき、粘膜側に現れにくいことから早期発見が難しいがんの1つです。
主な症状としては、吐き気や上腹部痛、上腹部膨満感などがありますが、初期には明確な自覚症状がない場合がほとんどです。

発症年齢・発症率について

胃がんは40歳代後半以降に罹患率が上昇しますが、スキルス胃がんはそれよりも少し早く、30歳~40歳代から罹患率が上昇する傾向があります。

解析遺伝子情報

関連遺伝子説明
MUC1MUC1遺伝子は粘膜の構成成分の1つであるムチンタンパク質を産生する遺伝子です。この遺伝子がAA型AG型の場合、スキルス胃がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
PSCAPSCA遺伝子は膜糖タンパクの一種を産生する遺伝子であり、前立腺や膀胱、胎盤、大腸、腎臓、胃などで発現していることが知られています。この遺伝子がTT型TC型の場合、スキルス胃がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。