Genesis2.0Plus遺伝子検査項目 - がん

Gene Items - cancer

 

GeneLife Genesis2.0 / がんのリスク

基底細胞がん

項目概要

基底細胞がんは、表皮の最下層である基底層や毛包などを構成する細胞が悪性化して生じる皮膚のがんです。全体の約80%が顔や頭部に発生していることから、太陽光(紫外線)によって引き起こされる可能性が高いと考えられています。
皮膚がんの初期は、ほくろのような茶色~黒色の軽く隆起した皮膚の症状です。これが緩やかに徐々に大きくなり、かたまりを形成するようになります。さらに進行すると中央部がくぼみ、血が出たり、かさぶたができるようになります。

発症年齢・発症率について

1997年に実施されたアンケート調査から、毎年10万人あたり5人以上がこのがんに罹ると推定されています。男女差は特になく、高齢者の方が罹りやすい傾向があるようです。

解析遺伝子情報

関連遺伝子説明
RCC2, PADI6PADI6遺伝子はペプチジルアルギニンデアミナーゼに属する酵素を産生する遺伝子であり、他のタンパク質に含まれるアルギニンをシトルリンに変換する機能があります。この遺伝子がAA型AG型の場合、基底細胞がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
RHOURHOU遺伝子はRhoファミリーに属するタンパク質を産生する遺伝子であり、細胞の形態の制御に関与していることが知られています。この遺伝子がTG型GG型の場合、基底細胞がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
TERTTERT遺伝子は染色体末端(テロメア)の反復配列を伸長するテロメラーゼの構成要素となるタンパク質を産生する遺伝子です。この遺伝子がTC型CC型の場合、基底細胞がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
KLF14KLF14遺伝子はKLFファミリーに属する転写因子を産生する遺伝子であり、TGF受容体の発現を抑制する機能があることが知られています。この遺伝子がTT型TG型の場合、基底細胞がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
RGS22RGS22遺伝子はGタンパク質シグナル伝達ファミリーの調節因子の一種を産生する遺伝子です。この遺伝子がAC型CC型の場合、基底細胞がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
GATA3, RP11-428L9.1, RP11-428L9.2GATA3遺伝子はジンクフィンガーに属する転写因子を産生する遺伝子であり、T細胞の重要な成長制御因子として知られています。この遺伝子がAA型AG型の場合、基底細胞がんの遺伝的リスクが低い傾向にあると報告されています。
MC1RMC1R遺伝子はメラニン細胞刺激ホルモンを受け取る受容体を産生する遺伝子であり、メラニン形成を制御することが知られています。この遺伝子がTT型TC型の場合、基底細胞がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
TP53TP53遺伝子は細胞周期、アポトーシス(細胞自身によって計画された細胞死)、老化やDNA修復などに関与する遺伝子を制御するタンパク質を産生する遺伝子です。この遺伝子がAC型CC型の場合、基底細胞がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
TGM3TGM3遺伝子は表皮などの角化細胞の外皮形成に機能するタンパク質を産生する遺伝子です。この遺伝子がAG型GG型の場合、基底細胞がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
 

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膀胱がん

項目概要

膀胱は尿を溜めたり排泄したりする臓器です。この膀胱にできるがんのことを膀胱がんと言います。膀胱がんの大部分は膀胱の内側を覆っている尿路上皮に発生するがんです。
主な症状は血尿が出ることです。また、頻繁に尿意を感じたり、排尿痛を感じたりすることがあるようです。

発症年齢・発症率について

膀胱がんの罹患率は10万人あたり、男性で年間24人、女性で年間8人と、男性は女性に比べ3倍以上高い傾向があります。年齢別では60歳以降に発生する割合が高いようです。

解析遺伝子情報

関連遺伝子説明
TACC3TACC3遺伝子は細胞分裂の安定化に寄与するタンパク質を産生する遺伝子です。この遺伝子がTT型TC型の場合、膀胱がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
CASC11CASC11遺伝子はタンパク質を産生しないRNA遺伝子の一種です。この遺伝子がTT型TG型の場合、膀胱がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
PSCAPSCA遺伝子は膜糖タンパクの一種を産生する遺伝子であり、前立腺や膀胱、胎盤、大腸、腎臓、胃などで発現していることが知られています。この遺伝子がTT型TC型の場合、膀胱がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
CLK3, CYP1A2CLK3遺伝子はセリンスレオニンキナーゼの一種を産生する遺伝子であり、RNAのスプライシングに関わるタンパク質をリン酸化することが知られています。この遺伝子がTC型CC型の場合、膀胱がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
LOC105372093, SLC14A1SLC14A1遺伝子は膜タンパク質の一種を産生する遺伝子であり、赤血球および腎臓で尿素の輸送に関与していることが知られています。この遺伝子がTT型TC型の場合、膀胱がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
APOBEC3AAPOBEC3A遺伝子はウイルス感染を抑制するなど免疫に関与するタンパク質を産生する遺伝子です。この遺伝子がAA型AG型の場合、膀胱がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
 

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乳がん

項目概要

乳房にできるがんのことを乳がんと言います。
乳がんは女性がかかるがんの第一位であり、女性のがん罹患者全体の約20%を占めます(2012年の全国推計値)。近年、患者数が増加し続けており、女性にとって特に注意が必要な疾患と言えます。
主な症状は、乳房にしこりができる、乳房の一部がくぼむなどがあります。
※この項目は遺伝性乳がん・卵巣がん症候群のBRCA遺伝子変異検査とは異なります。

発症年齢・発症率について

女性の11人に1人の割合で乳がんを発症すると言われています。年齢別で見ると、30代後半から急激に発症者が増える傾向があります。乳がんの発生には女性ホルモンのエストロゲンが深く関わっていると考えられています。

解析遺伝子情報

関連遺伝子説明
ZC3H11AZC3H11A遺伝子は遺伝子発現や成熟した転写産物の細胞質への輸送に関連するタンパク質を産生する遺伝子です。この遺伝子がAG型GG型の場合、乳がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
intergenic遺伝子の特定には至っていませんが、この部位がAA型AG型の場合、乳がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
SIAH2SIAH2遺伝子はE3ユビキチンリガーゼというタンパク質を産生する遺伝子で、標的タンパク質のユビキチン化とその後のプロテアソーム分解に関与することが知られています。この遺伝子がTG型GG型の場合、乳がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
ARRDC3ARRDC3遺伝子は乳がんの増殖および進行の調節因子として作用すると考えられているタンパク質を産生する遺伝子です。この遺伝子がTC型CC型の場合、乳がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
ESR1ESR1遺伝子はエストロゲン受容体を産生する遺伝子であり、エストロゲンと結合することで転写因子としても機能することが知られています。この遺伝子がTT型TG型の場合、乳がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
ZNF365ZNF365遺伝子は現在研究中の遺伝子であり、その詳細な機能は不明です。しかし、この遺伝子がTT型TC型の場合、乳がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
FGFR2FGFR2遺伝子は線維芽細胞成長因子の受容体の一種を産生する遺伝子であり、細胞増殖と分化に関与することが知られています。この遺伝子がAG型GG型の場合、乳がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
ATF7IPATF7IP遺伝子は核タンパク質の一種を産生する遺伝子であり、転写の活性化と抑制の両面に機能することが知られています。この遺伝子がTC型CC型の場合、乳がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
PRC1PRC1遺伝子は細胞分裂に関与するタンパク質を産生する遺伝子です。この遺伝子がTC型CC型の場合、乳がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
TOX3, LOC643714TOX3遺伝子はDNAが構成要素となっている構造物の形態維持や、染色体の構造変化に関与している遺伝子です。この遺伝子がTT型TC型の場合、乳がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
ANKLE1ANKLE1遺伝子は現在研究中の遺伝子であり、その詳細な機能は不明です。しかし、この遺伝子がAG型GG型の場合、乳がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
 

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子宮頸がん

項目概要

子宮頸がんは子宮の入り口にある子宮頚部という部分にできるがんです。若い女性に限ると、乳がんに次いで多いがんが子宮頸がんです。
子宮頸がんの発症にはパピローマウイルスというウイルスの感染が大きなリスク要因として考えられており、子宮頸がんの患者さんの90%以上からパピローマウイルスが検出されることが知られています。
初期の子宮頸がんには明確な自覚症状がありません。そのうち、月経時以外での出血や、普段と違うおりものが増えたり、月経血の量が増える、月経期間が長引くなどの症状が現れるようです。

発症年齢・発症率について

20歳代後半~40歳代での発症が多いようですが、近年は若年化の傾向が見られるようです。若い女性が気を付けるべきがんのひとつでしょう。
人口10万人あたりの罹患率は、年間16.7人となっています。

解析遺伝子情報

関連遺伝子説明
GSDMBGSDMB遺伝子は現在研究中の遺伝子であり、その詳細な機能は不明です。しかしこの遺伝子がGG型の場合、子宮頸がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
 

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大腸がん

項目概要

大腸は消化吸収された食物の残りかすから水分を吸収する器官です。結腸・直腸・肛門の3つに分けられます。これらの部位にできるがんを大腸がんと言います。
大腸がんの罹患率はがん疾患の中で第一位(男女合計値)となっており、性別で見ても男女ともに第二位と高く、性別に関係なく気を付けるべきがん疾患となっています。
早期の段階では自覚症状はありませんが、血便、下血、下痢と便秘の繰り返し、便が細い、便が残る感じ、おなかが張る、腹痛、貧血、原因不明の体重減少などが主な症状としてあげられます。

発症年齢・発症率について

大腸がんの罹患率は40歳代から少しずつ増加し始め、50歳代で大きく増加し、高齢になるほど高くなります。
大腸がんの年間罹患率は人口10万人あたり男性で124.7人、女性で87.4人と報告されています。
大腸がん全体としてみると男性の方が女性よりも罹患率が高いようです。ただし、男女で特に大きな差が見られるのは大腸がんの中でも直腸がんとなっています。

解析遺伝子情報

関連遺伝子説明
CTNNB1CTNNB1遺伝子は細胞間接着に関わるタンパク質を産生する遺伝子であり、細胞間の接触による増殖の調整などに機能することが知られています。この遺伝子がTA型AA型の場合、大腸がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
PITX1PITX1遺伝子はホメオボックスに属する転写因子を産生する遺伝子であり、臓器発達や左右非対称性に関与することが知られています。この遺伝子がAA型AC型の場合、大腸がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
CDKN1ACDKN1A遺伝子は細胞周期の進行を調節するタンパク質の一種を産生する遺伝子です。この遺伝子がTT型TG型の場合、大腸がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
SLC22A3SLC22A3遺伝子は低分子有機カチオン輸送タンパク質を産生する遺伝子であり、腸、肝臓、腎臓などで薬物や環境毒素などの排除にも関与することが知られています。この遺伝子がTT型TG型の場合、大腸がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
EIF3HEIF3H遺伝子はタンパク質合成の開始に必要な翻訳開始因子の一種を産生する遺伝子です。この遺伝子がAC型CC型の場合、大腸がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
intergenic遺伝子の特定には至っていませんが、この部位がTG型GG型の場合、大腸がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
VTI1AVTI1A遺伝子は細胞内の物質輸送に関与するタンパク質を産生する遺伝子です。この遺伝子がTC型CC型の場合、大腸がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
MYRF, FADS1, FADS2, FEN1MYRF遺伝子は神経細胞で発現する転写因子を産生する遺伝子であり、神経細胞の軸索を覆う髄鞘の形成に関わると考えられています。この遺伝子がTG型GG型の場合、大腸がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
C11orf93C11orf93遺伝子は現在研究中の遺伝子であり、その詳細な機能は不明です。しかし、この遺伝子がAC型CC型の場合、大腸がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
CCND2CCND2遺伝子は細胞周期の調節に重要な役割を担うタンパク質を産生する遺伝子です。この遺伝子がTT型TC型の場合、大腸がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
SMAD7SMAD7遺伝子はシグナル伝達と転写調節に関与するSMADファミリーに属するタンパク質を産生する遺伝子です。この遺伝子がTT型TC型の場合、大腸がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
HAO1HAO1遺伝子はヒドロキシ酸オキシダーゼを産生する遺伝子です。この遺伝子がTC型CC型の場合、大腸がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
 

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子宮体がん(子宮内膜がん)

項目概要

子宮体がん(子宮内膜がん)は、子宮体部の内側にある子宮内膜から発生するがんです。
初期症状は膣からの異常出血が多く見られ、閉経しているのに出血する、月経時期以外に不正出血するなどの症状があります。

発症年齢・発症率について

閉経後に発症する場合が多いようです。発症率を見てみると、40歳代から増加し始め、50歳~65歳の女性がピークとなっています。

解析遺伝子情報

関連遺伝子説明
HNF1BHNF1B遺伝子は転写因子の一種を産生する遺伝子であり、腎臓や肝臓、腸管や膵臓の遺伝子発現を制御していることが知られています。この遺伝子がAG型GG型の場合、子宮体がん(子宮内膜がん)の遺伝的リスクが低い傾向にあると報告されています。
XRCC1XRCC1遺伝子は放射線などによってDNAが損傷した場合に効果的に修復するタンパク質を産生する遺伝子です。この遺伝子がAA型AG型の場合、子宮体がん(子宮内膜がん)の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
 

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上皮性卵巣がん

項目概要

卵巣がんのうち、約90%を占めるがんが上皮性卵巣がんです。上皮性卵巣がんは食生活やライフスタイルの変化に伴い、患者数が増加しており、30代以降の女性にとって注意が必要ながんの1つです。
初期の上皮性卵巣がんは自覚できる症状はほとんどありません。ある程度進行し、下腹部にしこりがある、膨満感や圧迫感がある、尿が近くなる等の症状が出てから発見されることが多いようです。そのため、早期発見が難しいがんの1つとなっています。
※この項目は遺伝性乳がん・卵巣がん症候群のBRCA遺伝子変異検査とは異なります。

発症年齢・発症率について

卵巣がんの罹患率は50~60歳代がピークです。ただし、40歳以降に徐々に増加傾向が見られるので、40歳以降になったら気を付ける必要があります。

解析遺伝子情報

関連遺伝子説明
HAGLR/HOXD-AS1HAGLR遺伝子はタンパク質を産生しないノンコーディングRNAの一種であると考えられています。この遺伝子がTT型TG型の場合、上皮性卵巣がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
TIPARPTIPARP遺伝子は現在研究中の遺伝子であり、その機能は不明です。しかし、この遺伝子がTT型TG型の場合、上皮性卵巣がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
MIR146AMIR146A遺伝子は遺伝子の発現調節に関与する機能性RNAを産生する遺伝子です。この遺伝子がGG型の場合、上皮性卵巣がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
MYCMYC遺伝子は転写因子の一種を産生する遺伝子であり、細胞周期進行、プログラム細胞死(アポトーシス)、細胞形質転換といったさまざまな生体維持機能に関与することが知られています。この遺伝子がAG型GG型の場合、上皮性卵巣がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
none遺伝子の特定には至っていませんが、この部位がTT型TC型の場合、上皮性卵巣がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
COL15A1COL15A1遺伝子はXV型コラーゲンのα鎖を産生する遺伝子です。この遺伝子がAC型CC型の場合、上皮性卵巣がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
SURF6, ABOABO遺伝子は糖転移酵素を産生する遺伝子であり、血液型(A,B,AB,O)の決定に重要な機能を持つことが知られています。この遺伝子がAG型GG型の場合、上皮性卵巣がんの遺伝的リスクが低い傾向にあると報告されています。
MLLT10MLLT10遺伝子は現在研究中の遺伝子であり、その詳細な機能は不明です。しかし、この遺伝子がAA型AT型の場合、上皮性卵巣がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
ANKRD30AANKRD30A遺伝子は現在研究中の遺伝子であり、その詳細な機能は不明です。しかし、この遺伝子がAA型AC型の場合、上皮性卵巣がんの遺伝的リスクが低い傾向にあると報告されています。
SRGAP1SRGAP1遺伝子は神経細胞移動を抑制するタンパク質を産生する遺伝子です。この遺伝子がAA型AG型の場合、上皮性卵巣がんの遺伝的リスクが低い傾向にあると報告されています。
SKAP1SKAP1遺伝子はT細胞アダプタータンパク質の一種を産生する遺伝子です。この遺伝子がAG型GG型の場合、上皮性卵巣がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
BABAM1BABAM1遺伝子は現在研究中の遺伝子であり、その詳細な機能は不明です。しかし、DNAの二本鎖の修復に関与することが示唆されています。この遺伝子がTT型TC型の場合、上皮性卵巣がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
 

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食道がん

項目概要

食道とは喉と胃の間をつなぐ管状の臓器です。この食道にできるがんを食道がんと言います。日本人に多い食道がんは、食道の内面をおおっている粘膜の表面にある上皮から発生する扁平上皮がんで、食道がん全体の90%以上を占めます。
早期の食道がんは症状がでないことも多く、見逃しがちです。ただし、食べ物を飲み込んだときに胸の奥がチクチク痛んだり、熱いものを飲み込んだときにしみるように感じるといった症状が出ることもあるようです。

発症年齢・発症率について

食道がんの多くは40歳以降に発生します。発症頻度は人口10万人あたり、男性では30.0人、女性では5.2人となっており、男性の方が女性よりも5倍以上多いと報告されています。飲酒習慣のある中高年男性は特に注意を払うべき疾患の1つと言えるでしょう。

解析遺伝子情報

関連遺伝子説明
ST6GAL1ST6GAL1遺伝子は現在研究中の遺伝子であり、その詳細な機能は不明です。しかし、この遺伝子がTT型TC型の場合、食道がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
ADH6, ADH1BADH1B遺伝子はアルコールを分解する酵素を産生する遺伝子です。この遺伝子がAG型GG型の場合、食道がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
PDE4DPDE4D遺伝子は細胞内シグナル伝達物質であるcAMPの代謝に関わる酵素を産生する遺伝子です。この遺伝子がAC型CC型の場合、食道がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
TMEM173TMEM173遺伝子は免疫応答の制御因子として機能するタンパク質を産生する遺伝子です。この遺伝子がGG型GC型の場合、食道がんの遺伝的リスクが低い傾向にあると報告されています。
UNC5CLUNC5CL遺伝子はアポトーシス(細胞自身によって計画された細胞死)に関与するタンパク質を産生する遺伝子です。この遺伝子がAG型GG型の場合、食道がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
PLCE1PLCE1遺伝子はリン脂質加水分解酵素であるホスホリパーゼCイプシロン1を産生する遺伝子で、リン脂質をジアシルグリセロールとイノシトール1,4,5-三リン酸エステルに加水分解します。この遺伝子がAG型GG型の場合、食道がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
BRAP, ALDH2遺伝子の特定には至っていませんが、この部位の近傍にはアセトアルデヒドの代謝に関わるALDH2遺伝子があります。この部位がAA型AG型の場合、食道がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
ANP32AANP32A遺伝子は増殖、分化、細胞死(アポトーシス)、遺伝子発現調節などのさまざまな細胞内プロセスに重要なリン酸化タンパク質を産生する遺伝子です。この遺伝子がAA型AT型の場合、食道がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
HEATR3HEATR3遺伝子はリボソームタンパク質輸送と5Sリボヌクレオタンパク質粒子(5S RNP)形成に関与するタンパク質を産生する遺伝子です。この遺伝子がTT型TC型の場合、食道がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
HAP1HAP1遺伝子はハンチントン病に関わるハンチンチンタンパク質や細胞骨格タンパク質などと相互作用するタンパク質を産生する遺伝子です。この遺伝子がAA型AT型の場合、食道がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
RUNX1RUNX1遺伝子は血球の発生分化に関与すると考えられているタンパク質を産生する遺伝子です。この遺伝子がAG型GG型の場合、食道がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
CHEK2CHEK2遺伝子は細胞周期チェックポイント制御因子を産生する遺伝子であり、DNA損傷時や、DNA複製が阻害された際に細胞周期の進行を停止する機能を持つことが知られています。この遺伝子がTT型TC型の場合、食道がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
 

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胆嚢がん

項目概要

胆嚢(たんのう)は肝臓と十二指腸を繋ぐ胆管の途中にあり、肝臓で作られる胆汁という消化液を貯めておく袋状の臓器です。この胆嚢にできるがんのことを胆嚢がんといいます。
国際的に見ると胆嚢がんは日本人にやや多い傾向がありますが、近年は日本でも発症率が横ばいかやや減少の傾向が見られています。

発症年齢・発症率について

人口10万人あたりの胆嚢・胆管がんの罹患率は、男性では約19人、女性では約18人となっており、男女差はあまりありません。

解析遺伝子情報

関連遺伝子説明
DCCDCC遺伝子はネトリン受容体を産生する遺伝子であり、神経細胞の軸索の伸長に関わることが知られています。この遺伝子がTT型TC型の場合、胆嚢がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
 

GeneLife Genesis2.0 / がんのリスク

胃がん

項目概要

胃にできるがんを胃がんと言い、日本人を含む東アジア人に多いがんの1つです。日本人男性に発生しやすいがんの第1位であり、女性でも第3位に位置しています。ヘリコバクター・ピロリという胃の中に住む細菌が胃がんを引き起こす原因になっていることが知られています。
初期の胃がんは自覚症状が出ることがあまりなく、ある程度進行すると胃の痛み、不快感・違和感、胸やけ、吐き気、食欲不振などの症状がでます。ただし、これらの症状は胃の他の疾患でも見られることから、見逃してしまいがちではあります。
 

発症年齢・発症率について

胃がんの罹患率は40歳代後半以降に高くなります。人口10万人あたりの胃がんの罹患率は、男性では約146人、女性では約62人となっています。特に働き盛りの中高年の男性が注意すべきがんの筆頭と言えるでしょう。

解析遺伝子情報

関連遺伝子説明
MUC1MUC1遺伝子は粘膜の構成成分の1つであるムチンタンパク質を産生する遺伝子です。この遺伝子がAA型AG型の場合、胃がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
PRKAA1PRKAA1遺伝子は5’-AMPによって活性化されるタンパク質リン酸化酵素であり、ATPが枯渇しないように、細胞内のエネルギー消費を調整する役割を担っています。この遺伝子がAA型AG型の場合、胃がんの遺伝的リスクが低い傾向にあると報告されています。
UNC5CLUNC5CL遺伝子はアポトーシス(細胞自身によって計画された細胞死)に関与するタンパク質を産生する遺伝子です。この遺伝子がTC型CC型の場合、胃がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
PSCAPSCA遺伝子は膜糖タンパクの一種を産生する遺伝子であり、前立腺や膀胱、胎盤、大腸、腎臓、胃などで発現していることが知られています。この遺伝子がTT型TC型の場合、胃がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
PLCE1PLCE1遺伝子はリン脂質加水分解酵素であるホスホリパーゼCイプシロン1を産生する遺伝子で、リン脂質をジアシルグリセロールとイノシトール1,4,5-三リン酸エステルに加水分解します。この遺伝子がAG型GG型の場合、胃がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
 

GeneLife Genesis2.0 / がんのリスク

神経膠腫

項目概要

神経膠腫(しんけいこうしゅ)は脳に発生する悪性腫瘍です。脳腫瘍のおおよそ30%を占め、脳腫瘍の中でも最も多いタイプのがんになっています。
神経膠腫によって脳圧が上がることで、頭痛・吐き気・嘔吐などの症状が見られることがあります。また、がんが発生した部位に応じて、失語や半盲、記憶力の低下などの症状が現れることもあります。

発症年齢・発症率について

脳腫瘍の罹患率は人口10万人に対し12人程度となっています。

解析遺伝子情報

関連遺伝子説明
TERTTERT遺伝子は染色体末端(テロメア)の反復配列を伸長するテロメラーゼの構成要素となるタンパク質を産生する遺伝子です。この遺伝子がTT型TC型の場合、神経膠腫の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
CCDC26CCDC26遺伝子はタンパク質を産生しないRNA遺伝子であると考えられています。この遺伝子がAG型GG型の場合、神経膠腫の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
CDKN2B-AS1CDKN2B-AS1遺伝子はタンパク質を産生しないRNA遺伝子であると考えられています。この遺伝子がAG型GG型の場合、神経膠腫の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
PHLDB1PHLDB1遺伝子は現在研究中の遺伝子であり、その詳細な機能は不明です。しかし、この遺伝子がTT型TC型の場合、神経膠腫の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
TP53TP53遺伝子は細胞周期、アポトーシス(細胞自身によって計画された細胞死)、老化やDNA修復などに関与する遺伝子を制御するタンパク質を産生する遺伝子です。この遺伝子がAA型AG型の場合、神経膠腫の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
RTEL1RTEL1遺伝子は染色体の末端にあるテロメアの安定化や保護、伸長に関与するタンパク質を産生する遺伝子です。この遺伝子がAG型GG型の場合、神経膠腫の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
 

GeneLife Genesis2.0 / がんのリスク

肝臓がん

項目概要

肝臓は体内最大の臓器で、身体の中にある有害物質を解毒し、排出する形に変換する役目を持っています。肝臓がんはこの肝臓にできるがんのことです。
肝臓がんは日本人がなりやすいがんランキングの男性第4位、女性でも第6位に位置しており、男女合計でも第5位となっています。
肝臓は「沈黙の臓器」とも言われ、かなり進行してからでないと症状が出にくい臓器として知られています。肝臓がんも同様で、初期症状はほとんど無く、かなり進行してから食欲不振やからだのだるさ、腹部の張りやしこりなどの自覚症状が現れることがことがあります。

発症年齢・発症率について

肝臓がんは男性では45歳以降、女性では55歳以降に罹患率が上昇し始めます。年間罹患率は人口10万人当たり、男性では46.1人、女性では23.0人となっており、男性の方が倍くらい多いようです。

解析遺伝子情報

関連遺伝子説明
MICAMICA遺伝子はNKG2-DタイプII内在性膜タンパク質受容体の基質となるタンパク質を産生する遺伝子です。この遺伝子がAA型AG型の場合、肝臓がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
 

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ホジキンリンパ腫

項目概要

ホジキンリンパ腫は悪性リンパ腫の一種です。
症状として、リンパ節の腫れや身体のだるさや発熱、体重減少、夜間の発汗、かゆみを伴う皮疹などがありますが、多くの場合は自覚症状はありません。血液検査で白血球の増加などの異常値から見つかることが多いようです。

発症年齢・発症率について

発症年齢には25~30歳と55歳以上の2つのピークが見られるようです。男女比では、若干男性の方が発症率が高い傾向があります。

解析遺伝子情報

関連遺伝子説明
RELREL遺伝子は転写因子の一種を産生する遺伝子であり、炎症や免疫反応、発がん過程に関与することが知られています。この遺伝子がAG型GG型の場合、ホジキンリンパ腫の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
EOMESEOMES遺伝子は転写因子の一種を産生する遺伝子であり、発生期に中胚葉や中枢神経系の発生に関与することが知られています。この遺伝子がTC型CC型の場合、ホジキンリンパ腫の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
HLA-DRAHLA-DRA遺伝子は免疫応答において、自己と非自己を見分けるための目印となるタンパク質を産生する遺伝子です。この遺伝子がTC型CC型の場合、ホジキンリンパ腫の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
PVT1PVT1遺伝子はタンパク質を産生しない機能性RNAの一種であると考えられています。この遺伝子がTC型CC型の場合、ホジキンリンパ腫の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
GATA3GATA3遺伝子はジンクフィンガーに属する転写因子を産生する遺伝子であり、T細胞の重要な成長制御因子として知られています。この遺伝子がTG型GG型の場合、ホジキンリンパ腫の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
TCF3TCF3遺伝子は免疫グロブリンの遺伝子発現の制御に関与するタンパク質を産生する遺伝子です。この遺伝子がAG型GG型の場合、ホジキンリンパ腫の遺伝的リスクが低い傾向にあると報告されています。
 

GeneLife Genesis2.0 / がんのリスク

大細胞型B細胞リンパ腫

項目概要

大細胞型B細胞リンパ腫は、白血病(血液のがん)の一種です。リンパ球の中のB細胞から発生するタイプのがんで、非ホジキンリンパ腫の中で最も多い30~40%を占めています。
初期には自覚症状が無い場合が多いですが、発熱、体重減少などの症状が現れることがあります。

発症年齢・発症率について

非ホジキンリンパ腫の患者数は40~50歳以降に増加する傾向があります。男女で大きな差は見られておりません。

解析遺伝子情報

関連遺伝子説明
LNX2LNX2遺伝子は現在研究中の遺伝子であり、その詳細な機能は不明です。しかし、この遺伝子がAA型AG型の場合、大細胞型B細胞リンパ腫の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
CDC42BPBCDC42BPB遺伝子はセリン/スレオニンタンパク質リン酸化酵素ファミリーのひとつを産生する遺伝子であり、細胞骨格の再構成に関与することが知られています。この遺伝子がTC型CC型の場合、大細胞型B細胞リンパ腫の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
 

GeneLife Genesis2.0 / がんのリスク

喉頭がん

項目概要

喉は喉ぼとけ側(前側)の空気の通り道である喉頭と呼ばれる部分と、背側(後ろ側)の咽頭と呼ばれる部分に分かれます。声を出すための声帯があるのは喉頭の方になります。この喉頭にできるがんを喉頭がんと言います。
声帯に発生するがんが6割強を占め、声帯より上は3割強、声帯より下はあまり多くありません。がんができる部位により症状は異なりますが、がんが声帯付近にできると声枯れが起き、声帯より上にできると食物を飲み込んだ時の痛みや異物感などが症状として現れます。

発症年齢・発症率について

60歳以上の発症率が高く、男女比は10:1で男性の発症が圧倒的です。ただし、発症者の90%が喫煙者であり、喫煙習慣の有無が重要なリスク要因であると考えられています。

解析遺伝子情報

関連遺伝子説明
AIF1AIF1遺伝子は細胞骨格のアクチンタンパク質やカルシウムに結合するタンパク質を産生する遺伝子であり、免疫細胞の活性化などに関与することが知られています。この遺伝子がTT型TC型の場合、喉頭がんの遺伝的リスクが低い傾向にあると報告されています。
FADS1FADS1遺伝子は脂肪酸不飽和化酵素を産生する遺伝子であり、多価不飽和脂肪酸の生合成に関与しています。この遺伝子がAA型AG型の場合、喉頭がんの遺伝的リスクが低い傾向にあると報告されています。
TBX5TBX5遺伝子は発達プロセスの調節に関与する転写因子を産生する遺伝子です。この遺伝子がAA型AC型の場合、喉頭がんの遺伝的リスクが低い傾向にあると報告されています。
 

GeneLife Genesis2.0 / がんのリスク

肺がん(肺腺がん)

項目概要

気管支や肺にできるがんを肺がんと言います。肺がんは1960年代以降急激に増加し、がんの罹患率の中で、男性で第3位、女性で第4位になっています。ただし、特筆すべきは罹患率よりも肺がんで亡くなる方の割合で、男性では第1位、女性でも第2位、男女合計でも第1位と、がんによる死亡原因の部位別トップの座に君臨しています。
肺がんは大きく分けると、小細胞がん(約2割)と非小細胞肺がん(約8割)に分類されます。小細胞がんは肺の入り口に近い太い気管支に多く発生します。一方、非小細胞肺がんは「小細胞がんではない肺がん」の総称で、腺がん、扁平上皮がん、大細胞がんなどがあります。肺腺がんは、男性の肺がん全体の40%、女性の肺がん全体の70%を占めています。
 

発症年齢・発症率について

肺がんの罹患率は人口10万人に対して、一年間あたり男性で124人、女性で55人となっており、男性の方が高い数値になっています。

解析遺伝子情報

関連遺伝子説明
EPAS1EPAS1遺伝子は転写因子の一種を産生する遺伝子であり、酸素によって制御されている遺伝子群の発現を誘導する機能があります。この遺伝子がAG型GG型の場合、肺がん(肺腺がん)の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
TP63TP63遺伝子はアポトーシス(細胞自身によって計画された細胞死)に関与するタンパク質を産生する遺伝子です。この遺伝子がTC型CC型の場合、肺がん(肺腺がん)の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
TERTTERT遺伝子は染色体末端(テロメア)の反復配列を伸長するテロメラーゼの構成要素となるタンパク質を産生する遺伝子です。この遺伝子がTC型CC型の場合、肺がん(肺腺がん)の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
BTNL2BTNL2遺伝子は膜タンパク質の一種を産生する遺伝子であり、T細胞の抑制に関与していると考えられています。この遺伝子がAG型GG型の場合、肺がん(肺腺がん)の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
BPTFBPTF遺伝子は現在研究中の遺伝子であり、その詳細な機能は不明です。しかし、この遺伝子がAA型AG型の場合、肺がん(肺腺がん)の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
 

GeneLife Genesis2.0 / がんのリスク

肺がん(扁平上皮がん)

項目概要

気管支や肺にできるがんを肺がんと言います。肺がんは1960年代以降急激に増加し、がんの罹患率の中で、男性で第3位、女性で第4位になっています。ただし、特筆すべきは罹患率よりも肺がんで亡くなる方の割合で、男性では第1位、女性でも第2位、男女合計でも第1位と、がんによる死亡原因の部位別トップの座に君臨しています。
肺がんは大きく分けると、小細胞がん(約2割)と非小細胞肺がん(約8割)に分類されます。小細胞がんは肺の入り口に近い太い気管支に多く発生します。一方、非小細胞肺がんは「小細胞がんではない肺がん」の総称で、腺がん、扁平上皮がん、大細胞がんなどがあります。肺の扁平上皮がんは、男性の肺がん全体の40%、女性の肺がん全体の15%を占めています。
 

発症年齢・発症率について

肺がんの罹患率は人口10万人に対して、一年間あたり男性で124人、女性で55人となっており、男性の方が高い数値になっています。

解析遺伝子情報

関連遺伝子説明
TP63TP63遺伝子はアポトーシス(細胞自身によって計画された細胞死)に関与するタンパク質を産生する遺伝子です。この遺伝子がTC型CC型の場合、肺がん(扁平上皮がん)の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
TERTTERT遺伝子は染色体末端(テロメア)の反復配列を伸長するテロメラーゼの構成要素となるタンパク質を産生する遺伝子です。この遺伝子がTG型GG型の場合、肺がん(扁平上皮がん)の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
ROS1ROS1遺伝子はタンパク質チロシンキナーゼ受容体の一種を産生する遺伝子であり、細胞のがん化と関わりがあると考えられています。この遺伝子がAA型AC型の場合、肺がん(扁平上皮がん)の遺伝的リスクが低い傾向にあると報告されています。
VTI1AVTI1A遺伝子は細胞内の物質輸送に関与するタンパク質を産生する遺伝子です。この遺伝子がAA型AG型の場合、肺がん(扁平上皮がん)の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
SLC17A8SLC17A8遺伝子は神経伝達物質であるグルタミン酸をシナプス小胞へ輸送するタンパク質を産生する遺伝子です。この遺伝子がAG型GG型の場合、肺がん(扁平上皮がん)の遺伝的リスクが低い傾向にあると報告されています。
MIPEPMIPEP遺伝子はタンパク質分解酵素の一種を産生する遺伝子であり、細胞核にコードされた遺伝子から産生された一部のタンパク質をミトコンドリアへ移動させるのに関わっています。この遺伝子がTC型CC型の場合、肺がん(扁平上皮がん)の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
MTMR3MTMR3遺伝子は細胞内シグナル伝達に必要とされるリン脂質やタンパク質の脱リン酸化活性を有する酵素を産生する遺伝子で、筋肉細胞の分化に関与します。この遺伝子がTT型TC型の場合、肺がん(扁平上皮がん)の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
 

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黒色腫

項目概要

黒色腫は皮膚がんの一種で、メラニン色素を作りだす色素細胞(メラニン細胞)が原因の悪性腫瘍です。症状としては、皮膚に斑点を伴ったり、平坦もしくは盛り上がった不規則な茶色の皮疹が生じたり、黒または灰色の硬い隆起が生じます。
紫外線の強い地域に住む白人に多い疾患であることから、紫外線の影響が考えられていますが、日本人での発症部位は紫外線が当たりにくい足の裏が多いため、日本人の発症要因は別にある可能性もあります。

発症年齢・発症率について

日本では人口10万人あたり1年間に1~2人の割合で発生すると言われており、男女で違いは見られません。男性では60歳代、女性では70歳代の高齢者で多く発症します。また、少ないながら20代や30代でも発症する方もいることから、自分の身体の異変に気づくことを心掛けることが大事な疾患とも言えます。

解析遺伝子情報

関連遺伝子説明
ARNTARNT遺伝子は転写の制御を助ける因子の一種を産生する遺伝子です。この遺伝子がTC型CC型の場合、黒色腫の遺伝的リスクが低い傾向にあると報告されています。
CASP8CASP8遺伝子はアポトーシス(細胞自身によって計画された細胞死)の中心的役割を果たすタンパク質分解酵素を産生する遺伝子です。この遺伝子がAA型AG型の場合、黒色腫の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
TERT, CLPTM1LTERT遺伝子は染色体末端(テロメア)の反復配列を伸長するテロメラーゼの構成要素となるタンパク質を産生する遺伝子です。この遺伝子がTT型TC型の場合、黒色腫の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
MTAPMTAP遺伝子はメチルチオアデノシンホスホリラーゼという酵素を産生する遺伝子であり、ポリアミンの代謝に関与することが知られています。この遺伝子がAG型GG型の場合、黒色腫の遺伝的リスクが低い傾向にあると報告されています。
TYRTYR遺伝子はチロシンからメラニンへの変換に関与する酵素を産生する遺伝子です。この遺伝子がAA型AG型の場合、黒色腫の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
OCA2OCA2遺伝子は低分子の物質(特にチロシン)の輸送に関与するタンパク質を産生する遺伝子と考えられており、肌や目の色に関与することが知られています。この遺伝子がTT型TC型の場合、黒色腫の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
MC1RMC1R遺伝子はメラニン細胞刺激ホルモンを受け取る受容体を産生する遺伝子であり、メラニン形成を制御することが知られています。この遺伝子がTT型TC型の場合、黒色腫の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
PIGU/CDC91L1PIGU遺伝子は現在研究中の遺伝子であり、その詳細な機能は不明です。しかし、この遺伝子がAA型AG型の場合、黒色腫の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
MX2MX2遺伝子はダイナミン様GTP加水分解酵素を産生する遺伝子です。この遺伝子がAG型GG型の場合、黒色腫の遺伝的リスクが低い傾向にあると報告されています。
intergenic遺伝子の特定には至っていませんが、この部位がAG型GG型の場合、黒色腫の遺伝的リスクが低い傾向にあると報告されています。
 

GeneLife Genesis2.0 / がんのリスク

多発性骨髄腫

項目概要

血液にはさまざまな細胞がありますが、その中には抗体を作ることに特化した形質細胞という細胞があります。多発性骨髄腫は、この形質細胞ががん化したものです。
症状もさまざまであり、貧血などの血液系に症状が出るもの、骨がもろくなるなどの骨に症状が出るもの、尿が減る・むくむなどの腎臓系に症状が出るものなどがあります。

発症年齢・発症率について

日本では人口10万人あたり1年間に2~3人発生すると言われており、男女比ではやや男性の方が多いようです。
40歳未満で発症することは珍しく、高齢化に伴い、発症率が上昇します。

解析遺伝子情報

関連遺伝子説明
MYNNMYNN遺伝子は遺伝子発現の制御を行う転写因子の一種を産生する遺伝子です。この遺伝子がTC型CC型の場合、多発性骨髄腫の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
ELL2ELL2遺伝子はRNAポリメラーゼIIの転写伸長反応に関わる因子の一種を産生する遺伝子です。この遺伝子がTT型TC型の場合、多発性骨髄腫の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
PSORS1C1PSORS1C1遺伝子は現在研究中の遺伝子であり、その詳細な機能は不明です。しかし、この遺伝子がAA型AG型の場合、多発性骨髄腫の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
DNAH11DNAH11遺伝子は分子モーターの一種であるダイニンというタンパク質を産生する遺伝子であり、細胞の繊毛や鞭毛の運動に関与すると考えられています。この遺伝子がAC型CC型の場合、多発性骨髄腫の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
TNFRSF13BTNFRSF13B遺伝子は体液性免疫に機能するタンパク質を産生する遺伝子です。この遺伝子がAG型GG型の場合、多発性骨髄腫の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
CBX7CBX7遺伝子はクロモドメインを持つタンパク質の一種を産生する遺伝子であり、遺伝子の発現制御に関わるPRC1複合体の機能に関与することが知られています。この遺伝子がTT型TC型の場合、多発性骨髄腫の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
 

GeneLife Genesis2.0 / がんのリスク

膵臓がん

項目概要

膵臓は胃の後ろにあり、インスリンを産生して血糖の調節をしたり、膵液を分泌して消化を助けたりする機能を持っています。膵臓がんはこの膵臓にできるがんであり、十二指腸まで膵液を運ぶ管(膵管)にできるがんがその90%以上を占めています。
膵臓がんは初期の自覚症状がほとんどなく、他の臓器に隠れた位置にあるため、早期発見が非常に難しいがんだと言われています。そのため、かなり進行してから見つかる場合が多いようです。

発症年齢・発症率について

膵臓がんは40歳代後半以降に罹患率が上昇し始めます。人口10万人あたりの罹患率は、男性では29.1人、女性では25.5人となっています。

解析遺伝子情報

関連遺伝子説明
NR5A2NR5A2遺伝子はジンクフィンガーに属する転写因子の一種を産生する遺伝子であり、コレステロール生合成に関与することが知られています。この遺伝子がTC型CC型の場合、膵臓がんの遺伝的リスクが低い傾向にあると報告されています。
ADIPOQADIPOQ遺伝子は脂肪細胞から分泌されるアディポネクチンを産生する遺伝子です。アディポネクチンは血漿中を循環して、脂肪代謝やインスリンの感受性などに関与する働きがあります。この遺伝子がAC型CC型の場合、膵臓がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
FOXQ1FOXQ1遺伝子はフォークヘッド型転写因子を産生する遺伝子の一種であり、胚発生、細胞周期制御、組織特異的遺伝子発現、細胞シグナル伝達に関与していると考えられています。この遺伝子がTC型CC型の場合、膵臓がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
DPP6DPP6遺伝子は特定の電位開口型カリウムチャネルに結合し、生化学的な特性を変える酵素を産生する遺伝子です。この遺伝子がTT型の場合、膵臓がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
KCNQ1KCNQ1遺伝子は電位依存性カリウムチャネルの一種を産生する遺伝子であり、心筋の活動電位の再分極段階に関与することが知られています。この遺伝子がAC型CC型の場合、膵臓がんの遺伝的リスクが低い傾向にあると報告されています。
BICD1BICD1遺伝子は現在研究中の遺伝子であり、その詳細な機能は不明です。しかし、この遺伝子がAA型AG型の場合、膵臓がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
 

GeneLife Genesis2.0 / がんのリスク

前立腺がん

項目概要

前立腺がんは、前立腺(男性のみが持つ精液の一部をつくる器官)の細胞が異常増殖して発症するがんです。がんの罹患率の男性の第4位に位置しています。
初期の前立腺がんには特徴的な症状はみられません。関連する症状として前立腺肥大があり、前立腺肥大によって尿が出にくい、尿の切れが悪い、残尿感がある、夜間に頻繁に尿意を催す、尿漏れすることなどの症状がみられる場合もあります。
がんの進行は比較的ゆっくりで、早期に発見すれば手術や放射線治療で治癒することが可能です。また、進行した場合でも専門医を受診し、適切に対処することで、通常の生活を長く続けることができます。

発症年齢・発症率について

人口10万人あたりの罹患率は、年間117人と高い数値になっています。これは、胃がん、大腸がん、肺がんに次いで男性がなりやすいがんの第4位です。年齢別で見ると、加齢によって発症率は徐々に増大し、65歳以上で顕著に高くなります。

解析遺伝子情報

関連遺伝子説明
none遺伝子の特定には至っていませんが、この部位がAG型GG型の場合、前立腺がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
intergenic遺伝子の特定には至っていませんが、この部位がTT型TC型の場合、前立腺がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
GPRC6A, RFX6RFX6遺伝子はRFXファミリーに属する転写因子の一種を産生する遺伝子であり、膵臓の細胞の分化に関与していると考えられています。この遺伝子がTT型TC型の場合、前立腺がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
NKX3.1NKX3.1遺伝子はホメオボックスに属する転写因子の一種を産生する遺伝子であり、前立腺の上皮細胞成長の抑制因子として機能することが知られています。この遺伝子がAA型AG型の場合、前立腺がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
intergenic遺伝子の特定には至っていませんが、この部位がTT型TG型の場合、前立腺がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
MSMBMSMB遺伝子は前立腺の上皮細胞で産生され、精漿(精液の精子以外の部分)に分泌されるタンパク質を産生する遺伝子です。この遺伝子がTT型TC型の場合、前立腺がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
HNF1BHNF1B遺伝子は転写因子の一種を産生する遺伝子であり、腎臓や肝臓、腸管や膵臓の遺伝子発現を制御していることが知られています。この遺伝子がAA型の場合、前立腺がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
 

GeneLife Genesis2.0 / がんのリスク

精巣がん

項目概要

精巣から発生する腫瘍を精巣がんと言います。精巣がんはその95%が精母細胞(精子をつくるもとになる細胞のこと。胚細胞とも言う)から発生するため、精巣胚細胞腫瘍とも言います。
精巣がんの大きな特徴は、20~30歳代といった若い世代に多いことです。この世代ではもっとも罹患リスクの高いがんになります。
主な症状は、精巣の片方に腫れが出る、硬くなるなどがあります。ただし、痛みや発熱などが無いため、初めのうちは気づかないことも多いようです。

発症年齢・発症率について

人口10万人あたりの罹患率は、年間1人と比較的珍しい腫瘍となっています。しかし、このがんは他のがんとは異なり、20歳代や30歳代といった若い世代に多いことが特徴です。20~30歳代の男性が注意を払うべきがんの1つと言えるでしょう。

解析遺伝子情報

関連遺伝子説明
CENPECENPE遺伝子は細胞分裂時に紡錘体と動原体を繋ぐ役割を持つタンパク質を産生する遺伝子です。この遺伝子がAG型GG型の場合、精巣がんの遺伝的リスクが低い傾向にあると報告されています。
TERT, CLPTM1LTERT遺伝子は染色体末端(テロメア)の反復配列を伸長するテロメラーゼの構成要素となるタンパク質を産生する遺伝子です。この遺伝子がTT型TC型の場合、精巣がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
SPRY4SPRY4遺伝子はシグナル伝達経路を阻害するタンパク質を産生する遺伝子です。この遺伝子がAA型AG型の場合、精巣がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
BAK1BAK1遺伝子はアポトーシス(細胞自身によって計画された細胞死)を制御するタンパク質の一種を産生する遺伝子です。この遺伝子がAG型GG型の場合、精巣がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
DMRT1DMRT1遺伝子は男性特異的な転写因子を産生する遺伝子であり、性の決定や分化に関与していると考えられています。この遺伝子がTT型TC型の場合、精巣がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
ATF7IPATF7IP遺伝子は核タンパク質の一種を産生する遺伝子であり、転写の活性化と抑制の両面に機能することが知られています。この遺伝子がTC型CC型の場合、精巣がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
KITLGKITLG遺伝子はKIT受容体の基質を産生する遺伝子であり、造血、メラニン産生、配偶子形成に関与すると考えられています。この遺伝子がAG型GG型の場合、精巣がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
RFWD3RFWD3遺伝子はE3ユビキチンリガーゼに属するタンパク質であり、DNAの損傷に応答して、DNAの修復を促進する機能があることが知られています。この遺伝子がTC型CC型の場合、精巣がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
TEX14TEX14遺伝子は生殖細胞の細胞間架橋の形成に必要なタンパク質を産生する遺伝子です。この遺伝子がTT型TG型の場合、精巣がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
 

GeneLife Genesis2.0 / がんのリスク

甲状腺がん

項目概要

甲状腺は喉仏のすぐ下にある蝶のような形をした臓器であり、甲状腺ホルモンを作る機能を持っています。この部位にできるがんのことを甲状腺がんと言います。甲状腺がんの特徴は、多くのがんとは異なり、女性の方が多い点です。
甲状腺がんの主な症状はしこりが見られる程度ですが、のどに違和感や痛みを感じる場合もあるようです。

発症年齢・発症率について

甲状腺がんの罹患率は、男性よりも女性の方が約3倍高いと言われています。人口10万人あたりの罹患率でも男性では4.1人に対して、女性では12.3人です(2012年全国推定年齢調整罹患率)。女性の甲状腺がんの罹患率は30歳代から急増し、60歳代後半から70歳代前半で最も高くなります。

解析遺伝子情報

関連遺伝子説明
DIRC3DIRC3遺伝子は現在研究中の遺伝子であり、その詳細な機能は不明です。しかし、この遺伝子がTT型TC型の場合、甲状腺がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
FOXE1FOXE1遺伝子はフォークヘッド型転写因子の一種を産生する遺伝子であり、甲状腺の形態形成に関与することが知られています。この遺伝子がAA型AG型の場合、甲状腺がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
NKX2-1NKX2-1遺伝子は甲状腺や脳の視床下部、肺で見られる転写因子の一種であり、甲状腺特異的遺伝子だけでなく、形態形成に関わる遺伝子の発現も制御していると考えられています。この遺伝子がTT型TC型の場合、甲状腺がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
 

GeneLife Genesis2.0 / がんのリスク

腎臓がん

項目概要

腎臓にできるがんには、腎細胞にできる腎細胞がんと尿管にできる腎盂(じんう)がんの2種類があります。この項目では、このうちの腎細胞がんを取り扱っています。
初期の腎細胞がんには明確な症状はありません。進行すると血尿や腹部のしこりとして認識されることがあります。ただ、実際には他の病気のための精密検査を実施している際にたまたま見つかる場合が多いようです。

発症年齢・発症率について

50歳代以降で発症率が上昇します。腎細胞がんや腎盂がんを合わせた腎臓がんの年間罹患率は、人口10万人当たり男性では24.4人、女性では11.7人となっており、男性の方がやや多いがんとなっています。

解析遺伝子情報

関連遺伝子説明
EPAS1EPAS1遺伝子は転写因子の一種を産生する遺伝子であり、酸素によって制御されている遺伝子群の発現を誘導する機能があります。この遺伝子がAA型AG型の場合、腎臓がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
none遺伝子の特定には至っていませんが、この部位がAA型AG型の場合、腎臓がんの遺伝的リスクが低い傾向にあると報告されています。
MMP1MMP1遺伝子は細胞外マトリックス分解酵素の一種を産生する遺伝子であり、コラーゲンの分解に関わることが知られています。この遺伝子がII型の場合、腎臓がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
MMP3MMP3遺伝子は細胞外マトリックス分解酵素の一種を産生する遺伝子であり、フィブロネクチン、ラミニン、コラーゲンIII、IV、IX、X、ならびに軟骨プロテオグリカンの分解に関与することが知られています。この遺伝子がCC型の場合、腎臓がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
VDRVDR遺伝子はビタミンD受容体を産生する遺伝子であり、体内のカルシウムの維持に機能することが知られています。この遺伝子がAA型の場合、腎臓がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
SCARB1SCARB1遺伝子はHDLコレステロール受容体を産生する遺伝子です。この遺伝子がTT型TC型の場合、腎臓がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。
IL16IL16遺伝子は化学遊走物質やT細胞活性化調節因子として機能するサイトカインを産生する遺伝子です。この遺伝子がTC型CC型の場合、腎臓がんの遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。