「鶏口(けいこう)となるとも、牛後(ぎゅうご)となるなかれ(強く勢いのあるものに従うより、たとえ小さくても独立したものの頭になれ)」、そんな諺を思わせてくれる行動派。それこそが今回ご紹介する株式会社コレリーアンドアトラクトの代表、松本慶大さん(46歳、取材時)。インタビューを通じて受けた印象は、まさにこれだった。

学生時代はサッカーで鍛えたスポーツマンで、大学卒業後は大手旅行代理店に就職。法人営業として3年連続トップセールスとして活躍。最年少グループリーダーに抜擢される。その実力と経験を活かして独立、起業。今は宿泊業界に特化したデジタルマーケティング会社の代表として全国を飛び回っている。

そんな松本さんにとって、大きな起点になったのが遺伝子検査だという。今では遺伝子検査を活用とした新規事業を開発するまでになったという本人に、その着想について話をうかがった。

キッカケは3年前にはじめた筋トレ。多忙なビジネスパーソンが時間を惜しんでジムに通う例は多いが、松本さんも筋トレによるボディメイクが日常となり、どうせやるなら、先輩経営者の勧めもあって美ボディコンテスト「BEST BODY」にもエントリー。学生時代にサッカーで鍛えた肉体に磨きをかけたが、それでも苦労したのがダイエット。筋肉の大きさと美しさを競うコンテストは、ただ身体が大きいことを競うのではなく、限界まで体脂肪を削り、カットと呼ばれる筋肉の陰影、彫りの深さとプロポーションの美しさが勝負をわける世界。まして40代ともなると、魅せる身体を形作るのは容易ではない。

 


Higatrec(ヒガトレック)」と呼ばれる電子制御型のスミスマシンで鍛える松本さん。ウェイトを上げる時(ポジティブ)よりも、下ろす時(ネガティブ)に耐える方が筋肥大に有効であることに着目した秘密兵器だ。

 

ボディメイクの世界はたとえアマチュアであっても、トップ選手の体脂肪率は3%に迫るというから、マラソン選手やボクサーよりも身体を絞る必要がある過酷な世界なのだ。

「美ボディコンテストに出るようになってから、年間8ヶ月は減量期間です」と笑う松本さん。2022シーズンは地方大会で見事クラス優勝を果たし、11/23に両国国技館で開催されたBEST BODY JAPANの頂上決戦にあたる日本大会への出場権も獲得した。

 


今回の取材はBEST BODY JAPAN日本決戦の直前に行われた。

 

魅せる身体を作るには、筋肉を最大限残して、脂肪だけを削る必要がある。しかし実際は体脂肪を落とす食事制限をすると、どうしても筋肉も削れてしまうので、いかにして体脂肪率を下げながら、筋肉の量を維持するかが勝負どころとなる。そこで松本さんが、取り入れたのが話題になっていた「ケトジェニックダイエット」。これは麺や穀類などの糖質をカットし、脂肪とタンパク質のみを接種する食事。しかしなかなか思うように減量が進まなかった。

厳しい減量は精神の余裕さえも奪う。空腹に耐えながらピリピリした心持ちで苦しい減量を続け、仕事に全力投球する松本さんの姿を見かねた奥様から、「一度、遺伝子検査を受けてみたら?自分の体質を知るのはどうか」という提案が。そこでジーンライフのDIETSPORTSを購入し、さっそく試してみた。

「まずSPORTSの結果ですが、私の筋肉のタイプは期待していた速筋型(パワータイプ、筋肉が付きやすい)ではなく、遅筋が発達しやすい持久型でした。これは速筋をつけて身体を大きくしたい自分としては不本意な結果でしたが、ハーフマラソンなら1時間半で走れる自信があるので、ある意味符合する結果でした」と松本さん。

「それよりも衝撃だったのはDIETの結果でした。私の肥満タイプは「洋なし型」だったことです。これは脂質の分解が苦手で、逆に糖質はある程度摂って良い体質。この結果からケトジェニックダイエットを改め、思い切って低脂質ダイエットに切り替えました。洋なし型に適した食事に切り替えてから、あきらかにコンディションが良くなりました。少量でも炭水化物を食べるようになって、気持ちにも余裕ができました」。トレーナーからも、そのコンディションの向上ぶりに、「何があったの? 秘訣を教えて」と聞かれるくらいだという。

 

「自分の経験から肥満タイプがわかる遺伝子検査は、ボディメイクだけじゃなく健康管理にも大いに役立つと思ったんです。だったらこれを私の本業であるツーリズムに持ち込めないかと思いまして」。

 

そこで松本さんは「PLUGFIT(プラグフィット)」というサービス名で新規事業を立ち上げた。これは自身が定期的に通っているジムの代表である比嘉一雄氏(東京大学大学院で筋生理学を学び、Higatrec(ヒガトレック)の独自の基礎理論を確立)が提唱提供しているトレーニング理論を応用したもの。ダンベルなどのウエイトを使わず、自重だけで十分な効果があるトレーニング方法をビギナーでもわかりやすい動画コンテンツに仕立て直すことで、ホテル・旅館等の滞在先でも気軽に身体を鍛えることができるオンライントレーニングを提供・監修しているのだ。

 


松本さん(中央)が全幅の信頼を寄せるトレーニングジム「CALADA LAB.」のトレーナー峯田 玲一さん(左)と石岡大輔さん(右)。

 

 

実際、ウェルネスを推し進める感度の高いホテル・旅館がPLUGFITのプランを採用し、人気を得ていることからもこの素晴らしさがわかる。さらには長期プランには肥満タイプがわかる遺伝子検査もそのメニューには含まれ、その体質にマッチする食事メニュー(冷凍弁当)も開発中であり、今後ますますそのプログラムに磨きがかかることは間違いない。

ウェルネスの機運が高まる昨今において、滞在先での豪勢な食事だけでなく、ときにはコンディションを整えることが主の滞在プランがあっていい。そしてそれはジムが併設されていなくても、スペースさえあればヨガやストレッチの延長でしっかりと鍛えることができる。トレーニングにあたっては、食事も肥満体質にあわせたメニューを提供する。松本さんが想い描いた夢が、次のステージに達するのはもはや目前。ますますの活躍に期待したい!

 


同ジムは自重トレーニングが中心であるため、ウェイト類がほとんどない。特殊なウェイトや器具がなくても、効果的に鍛えるメソッドが確立されているからだ。このトレーニング方法を旅先で提供するのが松本さんが立ち上げた新規ビジネス「PLUGFIT(プラグフィット)」。

 

■取材協力

PLUGFIT(プラグフィット) https://plugfit.jp/

株式会社コレリーアンドアトラクト www.collely-at.com

株式会社CALADA LAB.(カラダラボ) https://caladalab.com

 

■今回紹介した遺伝子検査キット

ジーンライフ DIET 4,980(税/送料込)

ジーンライフ SPORTS 4,980(税/送料込)